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〈令和5年度東都大学野球秋季2部リーグ戦=9月13日 大田 専大0-1x国士大〉
▲サヨナラ負けで勝ち点を献上。西舘の孤軍奮闘も及ばなかった。
専大がサヨナラ負けで勝ち点を献上した。2番に座った小林寛弥主将(経営4・坂井)が3安打と気を吐いたが後続が続けず、国士大投手陣の前に3塁すら踏めなかった。先発の西舘昂汰(経済4・筑陽学園)は初回に二塁打を浴びて以降1本の安打も許さず、8回までに10奪三振を記録するなど支配的な投球を見せた。しかし、打線の援護がなく、最後は山下来球選手に犠飛を浴び敗れた。
喜びを爆発させる相手ベンチ。膝に手をつきうなだれる背番号18。春に何度も見た光景が、再び繰り返された。9回1死から2番夏賀貞伍選手に失投を捉えられ、右翼手の頭を越える三塁打を浴びる。続く山下来球選手はこの日当たっていたが、バッテリーは勝負を選択。しかし、5球目を弾き返され、打球は左翼に打ち上がった。苅部力翔(経営2・専大松戸)の懸命のバックホームも及ばず、3塁走者が生還。呆気なく試合が終わった。
▲「野球はわからないなというのは実感した」と話す西舘。9回1死まで1安打投球を続けたが、久々に浴びた安打で決着がついた。
西舘の投球は圧巻だった。「体のコンディションが良くなかったが、逆にいい力感で投げられた」と、この日も変化球を多く織り交ぜる投球で的を絞らせず、フォークを武器に三振の山を積み上げた。力感のないフォームで投げられた分140キロ中盤の直球でも差し込ませることができ、最大の武器である直球の威力がより効果を発揮した。8回までに10奪三振を奪うなど、中1日とは思えない支配的な投球を見せた。
援護の気配を最後まで感じなかった。この日放った安打はわずか4本で、うち3本が小林主将。小林の後ろを打つ松永知大(経済2・創成館)、外山優希(経営4・開星)、山本健斗(経済4・松商学園)はいずれも無安打で、チャンスを広げることができなかった。特にリードオフマンの西村進之介(経済4・栄徳)が、昨日に続き2試合連続無安打と深刻な不調に陥っている。西村進は「昨日で完全に(打撃の形が)崩れた。昨日帰って少し打って、ちょっとは取り戻したと思ったけど、2打席目の死球で力が入らなくなってしまった」と自身の状態について言及。「(今日は)昨日よりは良かった。来週までに(調子を)取り戻せるようにしっかり準備したい」と次を見据えた。
▲6回の先制のチャンスでは、外山が内野フライに倒れた。
▲7回のチャンスで代打で登場した中尾拓士(経営4・大分)だったが、捕邪飛に倒れチャンスを逃した。
▲9回のチャンスも、西里颯(経済3・興南)が中飛に倒れた。
小林主将は「オープン戦でやってきたことが全然できていない。どの打者も空振りを恐れていて、気持ちで負けている」と打線の姿勢に問題があると指摘する。「やっぱり西村進、松永、外山、山本健が打てないと勝てない」。主軸の存在の大きさを強調し、奮起を促した。
▲ここまで好調をキープする小林。この日も何度もチャンスを演出した。
文=野見山拓樹(文4)
写真=高橋尚之(経営4)