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〈令和5年度東都大学野球春季2部リーグ戦=5月10日 上尾 専大3―0立正大〉
▲2回を無失点に抑えリーグ戦初勝利を飾った須藤
専大が意地を見せつけた。負ければ2部最下位が決まる崖っぷちの一戦だったが、投打が噛み合い3-0で快勝。1勝1敗とし、明日の3回戦に望みをつないだ。先発の宮原明弥(経営1・海星)や2番手の須藤綺梨(経営2・延岡学園)が好投を見せるなど、5投手のリレーで立正大打線を黙り込ませた。打線は5回に小柴滉樹(経営3・佼成学園)と松永知大(経済2・創成館)が適時打を放ち、相手先発のプロ注目・関口航太投手から3点を奪った。今季初の勝ち点獲得へ、明日3回戦に臨む。
5人の投手の力投が今季2勝目を呼び込んだ。3度目の先発マウンドとなった1年生の宮原は、「いい流れを呼び込もうと、全力で投げた」と3回を無失点。低めに変化球を集めゴロの山を築き、危なげない投球を見せた。先発マスクをかぶった工藤翔斗(経営1・大阪桐蔭)も「左打者の内角、右打者の外角は引っかける球もあったが、変化球でもしっかり腕を振れていた」と宮原の投球を称えた。
▲今季3回目の先発マウンドを託され、3回を完璧に抑えた宮原
2番手の須藤は大きなカーブやスライダー、手元で伸びる直球をテンポよく投げ込み、相手打線を翻弄。2回無失点で勝利投手となった。「嬉しい。初登板よりも緊張はしなくなったが、初登板の時の感覚をイメージしながら投げた」と振り返り、「秋にはエースになりたい」とさらなる飛躍を誓った。
▲須藤は得意のスライダーを軸に凡打の山を築いた
3番手の石井夢沙士(経済2・秋田)も2回無失点。「監督に腕を振れと言われたので、腕を振ることだけ考えて投げた」とキレのある直球を武器に真っ向勝負。2本の安打を浴びたが、本塁は踏ませなかった。8回は常田唯斗(文3・飯山)、9回は今季初登板の松下瑛亮(経済4・宮崎学園)がそれぞれ無失点で抑え、完封リレーを完成させた。
▲3番手で登板した石井。伸びのある直球を投げ込んだ
▲常田も1イニングをきっちり抑えた
▲待望の今季初登板を果たした松下は5番手で試合を締めた
打線も投手陣の好投に応えた。4回、先頭から連続四球でチャンスをもらうと、2死後にこの日スタメン起用された小柴が「とにかく1点を取りたかった」と4球目のスライダーに食らいつく。捉えた打球は二塁手の頭上を襲い中前へ。2塁走者が生還し、先制点を奪った。その後満塁から絶好調の松永が一二塁間を破り、2者を迎え入れ3-0。少ないチャンスをものにし、投手陣を力強く援護した。
▲先制適時打放った小柴。低めの変化球に食らいつき、スタメン起用に応えた
▲続くチャンスに絶好調・松永が2点適時打を放ち、2走・小柴が一気に生還
齋藤正直監督は継投について「下級生に経験させるのも狙いのひとつ。宮原がこれまで3回までは完璧に抑えていたので、今日は何が何でも3回までで終わると(決めていた)」と話す。「前回はイニング途中から須藤に投げさせて苦しい思いをさせたので、今回は頭から行かせた。期待に応えてくれた」と2番手の須藤の投球を称えた。▲齋藤監督(右)は須藤について「直球と変化球の腕の振りが全く同じだから、相手は打ちにくかったと思いますよ」とコメントした。
明日負ければ最下位が決定するが、勝てば今季初の勝ち点獲得となる。先発は西舘昂汰(経済4・筑陽学園)が濃厚。チーム一丸で、勝ち点を掴み取る。
文=野見山拓樹(文4)
写真=河上明来海(文3)