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5月30日、駒澤大学二子玉川キャンパスにて男子バレーボール1部2部入れ替え戦が行われた。対戦相手は2部2位の日大。互角の戦いを繰り広げ、2セットずつを取り合い試合はフルセットへ。それでも最後は圧倒的な強さで勝利し、見事1部残留を果たした。
専大3(25-23、22-25、25-19、22-25、15-7)
スターティングメンバー
#1 藤中謙也 (経営4・宇部商高)
#2 柴田康暉 (経営4・佐賀商高)
#3 高橋拓也 (経済4・東亜学園高)
#5 川端修 (商4・開智高)
#8 冨田直人 (経済3・東亜学園高)
#13 小森郁己 (経営2・佐賀商高)
#15 舩倉拓登 (商2・清風高)
#16 平原隆也 (経済2・都城工高)
第1セット、#1藤中の迫力あるスパイク、#2柴田の速攻、#3高橋の高さのあるスパイク、#8冨田のキレのある強打、#13小森の強弱のあるスパイクなど、スパイカー陣の活躍で次々と得点を重ねていく。レシーブでも、今季から#16平原と共にリベロを任されている#5川端も果敢にボールを拾いに行く姿が見られた。ところが2部で好成績を残して勢いに乗る日大も負けず劣らず積極的に攻撃をしかけてきて、点差の拮抗した戦いに。リードを奪う糸口が欲しい専大は、ピンチサーバーで#10平安山華竜(経済3・西原高)を投入。平安山はその期待に応えてサービスエースを決め、選手たちからこれまでで一番大きな歓声が飛び交う。これに#15船倉もサービスエースで続き、さらにチームの雰囲気を高める。その後は#2柴田#15船倉の2枚ブロック、相手のスパイク、相手のタッチネットでシーソーゲームのまま20点台に突入。ここで、#3高橋#8冨田が2枚ブロックを決め、専大が一歩リードする。その後もスパイクでたたみかけ、最後は#1藤中のスパイクで25点目を勝ち取り、25-23とセットを先取する。
▲キレのあるスパイクを打つ#8冨田(撮影=富樫)
勢いに乗りたい第2セットだったが、序盤から日大が専大のスパイクをブロックに当て始め長いラリーが続く。それでも負けじと#16平原が貪欲にボールを拾って繋ぎ、#1藤中や#13小森らがスパイクを試みる。絶対にボールを落としたくない緊張感が続く中、#1藤中のスパイクが決定打となり、セットの行方を左右しそうな長いラリーの1点をものにする。中盤も#8冨田の相手のレシーブを崩すスパイクや#2柴田の速攻で点を得るが、1点ビハインドを背負う展開に。その後も#1藤中のフェイントや#8冨田のスパイクで奮闘するも、依然リードを許し先に20点台に入られてしまう。今季調子を上げてきた冨田にボールを集めて得点を重ねるが、流れを奪えず22-25とセットカウントは1-1に。
▲サーブキャッチが得意な#16平原(撮影=富樫)
なんとか先に王手をかけたい第3セット、#3高橋の高さとパワーのあるスパイクで得点を重ね、相手のミスもあり一気に流れを掴む。#2柴田の要所でのスパイクや#1藤中のサービスエース、#8冨田のスパイクも続き相手に隙を与えない。さらにこのセットでは、第3セット1点目を先制した#3高橋にボールを集める。それに応え、#3高橋も次々と決める大活躍。後半も、#15船倉がツーアタックを披露するなど依然として専大の勢いは止まらない。そのまま#2柴田#8冨田の2枚ブロックでマッチポイントに迫ると、最後は#2柴田がスパイクを決めて25-19と日大を圧倒しセットを取り返した。
ここで決めたい第4セット、序盤から#8冨田、#3高橋、#13小森を中心にスパイクで得点を稼ぐ。#1藤中#2柴田も2枚ブロックで続き、相手のミスも誘う。また#13小森、#1藤中、#3高橋、#2柴田、#1藤中の順にスパイクを決めるなど、多彩な攻撃で着実に加点する。そしてさらに#1藤中の1枚ブロックも決まりリードを保つ。ところが日大も#13を中心にスパイクでたたみかけ、ついには追い越されてしまう。なんとか流れを取り戻そうと#8冨田や#2柴田のスパイクで応戦するが、22-25とまたしてもセットを取られ試合はフルセットへと突入する。
▲ガッツポーズをする#1藤中(撮影=富樫)
勝負の第5セット、#8冨田と#13小森のサイドからの攻撃で序盤から相手を圧倒する。さらに日大のミスがこれまでのセットで一番目立ち、流れは完全に専大へと傾く。その後#1藤中もスパイクに1枚ブロックと大活躍を見せ、専大はついに勝利まであと3点と迫る。この場面で#10平安山が再度ピンチサーバーとして登場。これは相手がうまくレシーブしたため返ってくるかに思われたが、ボールは専大コートへは落ちてこなかった。#15船倉が1枚ブロックを決めたのだ。#10平安山は続く2本目のサーブでサービスエースを獲得し、マッチポイントに。最後は今季大きな飛躍を遂げた#8冨田のスパイクが決まり、3点連取で15-7と試合終了。フルセットに及ぶ激戦を制し、専大が見事1部残留を果たした。
▲1枚ブロックを決め喜ぶ#15舩倉(撮影=富樫)
これで、春季リーグ戦が始まってから入れ替え戦までの長い戦いが終わった。1人1人の攻撃の決定力も確実に上がり、その成果は今回の入れ替え戦でも見ることができた。
秋季リーグも1部で戦うことができる喜びの前に、次なる大会は東日本インカレである。主将の#1藤中と副主将の#3高橋が抜けてしまうが、専大のチーム力はそれだけで崩れるほど脆くはない。昨年は創部初の優勝を手にし大きな喜びを体験した。しかし得たのは喜びだけではない。昨年の決勝で2セットを連取されたなかでの第3セット目からの巻き返しは、一見ミラクルのようだが、選手たちの「最後まで諦めない」という精神の集大成であった。そんななか今年迎える東日本は、今季のリーグ戦で学んだ目の前の一戦の勝ちに貪欲にこだわる執念も選手たちの胸に宿っているはずだ。さらなる躍進を遂げる姿に注目したい。
(文2・宇佐美春那)
▲(撮影=上野)
以下はコメント
監督
「勝てばすべて良し。長い戦いが終わってひとまずホットとした。次は打倒中大(春季リグ1部1位)を目標にしていきたい」
#1藤中主将
「ビデオで相手を研究して、ブロックやレシーブのイメージをしたが思うようにはいかず、このような展開(フルセット)となった。今日は悪いとも良いわけでもなかったが負けたら落ちる、負けられないという思いで試合に臨んだ。試合は4セット目序盤にリードはあったが取られてしまって、5セット目出だしから走って、レシーブを拾って、サイドアウトをしっかりしようとチームで話し合った。リーグ戦を通してそれぞれ課題があるが、目標は残留したことではない。東日本はどこまでいけるか分からないが、秋季リーグと全日本を見据えてレベルアップしたい」
#2柴田選手
「今日の試合では自分のやらなきゃいけないことをしっかりとこなすことができた。リーグ戦中は選手が何人か抜けてしまうなどイレギュラーがあったなかでも、個人としてはやれることが見つかったり、課題も見えてきた。反省しつつこれからチームを盛り上げていけたらいい。東日本もいない選手がいるが、それを言い訳にせず勝ちたい」
#3高橋選手
「けがから復帰したばかりだが、勝てたので良かった。マークされていたが、時間差などでうまく決められるところが多かった。でも、何度か危ない場面があったので、修正していきたい。特にサーブからの攻撃が課題となったと思う。東日本インカレは、自分と藤中が抜けてしまうが、みんなに頑張ってほしい」
#5川端選手
「ひとまず勝てて良かった。相手は#13を中心としたクロスが多いと聞いていたのでクロスにいるようにしていたが、予想と違いストレートが多かった。東日本インカレはもちろん優勝したい。ポジションはまだ分からないが、リベロとして出れたらひたすら拾うだけ。アタッカーとして出れたら打ち込むだけ」
#8冨田選手
「みんなが拾ってくれたから自分は決めないといけないと思った。リーグ戦の序盤は情けないプレーをしてしまったが何とか2勝することができて、最後は(入れ替え戦まで来てしまったが勝てたので)いいかたちで終わることができた。このいいかたちをこれからもっと強化していきたい。東日本ではタイトルをとって、チームワークをつけてその後も全タイトルを取りたい」
#10平安山選手
「要所で決まったサーブは、狙っていた選手に狙い通り打てて良いサーブだった。マッチポイントを決めて最後もサービスを狙っていたが3回目はだめだった(第5セット目)。試合は最終的にはプライドで押し切って気持ちでいった。謙也さんに負担をかけすぎているので、チームで4年生を中心に下級生を引っ張って東日本に臨みたい。入れ替え戦に勝って安心だが、切り替えて、チームが1つになるようにしたい。1つになったら強いチームだと思う」
#13小森選手
「負ける気はしなかったけど焦りは出ていた。それでも練習してきたことが通用したのだと思う。春季リーグは1本のミスでそこから悪くなっていくケースが多かったから、今後はミスを減らしていって勝っていけたらいい。東日本は何人かいないけど、だからこそよりチームでとまっていきたい」
#15舩倉選手
「(第5セット23点目の)1枚ブロックが決まったのには自分が1番驚いた。普段はブロックは当たらないことが多いので、当てることができて本当に良かった。春季リーグはセッターが固定しなかった分(スパイカー陣が)安定して打てていなかったが、最後の方は自分が出るようになって少しづつ安定していったと思う。ここから秋季リーグにもつなげていきたい。東日本は主力が抜けるので、チームでまとまって勝負していきたい」
#16平原選手
「今季のリーグ戦はチーム的にはうまくかみあっていない状況が続いたと思う。自分的には、メンタルが弱いと分かったのでこれからの課題の中心にしていきたい。東日本は専大が去年優勝したことで、専大に向かってくるチームが多いと思うが、今回入れ替え戦も経験して、チャレンジャーの気持ちで戦っていきたい」