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JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦(後期)
第22節 VS早稲田大学ア式蹴球部
11月23日(土) 14:00Kickoff
@早稲田大学東伏見サッカー場(東京都西東京市)
専大 0-3 早大
前節は、集中応援ということもあり、何としてでも勝利を手にしたい一戦だったが、ミスが目立ち、1-2で敗北。他会場の結果により、1部残留は確定したが、内容、結果とともにフラストレーションが溜まるものとなってしまった。そんな中で迎える今日のゲームは、リーグ最終節。前節の悔しさだけでなく、なかなか思うような結果が出なかった今シーズンの無念をぶつけ、意地の勝ち点3を掴みたい。
以下、スターティングメンバー(3-6-1)
GK 1 桐林海生(経済4・神戸国際大附属高)
DF 25 遠藤光 (商1・菅高)
DF 5 鹿沼直生 (経済4・静岡学園高)
DF 6 笛田翔 (法4・共愛学園高) 後半38分 OUT
MF 8 河上将平(人科4・東海大付属静岡翔洋高)後半14分OUT
MF 20 鈴木龍之介 (経済3・成立学園高)
MF 7 岡本勇輝 (経済4・高津高) 後半27分 OUT
MF 2 古屋誠志郎 (法4・市立船橋高)
MF 13 鈴木厚太 (商4・飛龍高)
MF 10 氣田亮真 (文4・千葉敬愛高)
FW 9 岸晃司 (経営4・川崎北高)
途中出場
FW 11 中杉雄貴 (経営4・追浜高) 後半14分 IN
DF 18 釼持雅也 (法4・聖和学園高) 後半27分 IN
FW 24 奥原零偉 (人科1・熊本県立大津高) 後半38分 IN
累積警告により出場停止の西村慧祐に代わって、これまでボランチでの起用が続いていた鹿沼を3バックの中央に配置。その鹿沼が務めていたポジションには、岡本が起用された。今日の対戦相手である早稲田大学は、引き分け以上で1部残留が決まるが、負ければ2部降格の可能性もあるという状況に置かれている。相当な覚悟で試合に臨むことが予想されるが、専大にも意地と誇りがある。容易く白星を献上するわけにはいかないだろう。来シーズンへの希望の光が差し込むような試合を披露し、4年生にとっては"ラストステージ"となるこのゲームを勝利で飾りたい。
冷たい雨の降る中で前半のキックオフを迎えたこの試合。先にチャンスを作ったのは専大だった。6分、MF氣田がドリブル突破を試みると、中央で倒されてFKを獲得。これを、氣田が直接狙うが、ゴール右へ外れてしまう。その後は、早大が徐々にペースを握る展開となり、22分には、裏へ抜け出され、シュートを許す。ここは、GK桐林のファインセーブで何とか難を逃れるが、36分に右CKの流れから頭で決められてしまい、先制点を与えてしまう。結局、0-1で前半は終了。ビハインドを背負って試合を折り返すこととなった。
まずは同点に追い付くべく、後半の立ち上がりから攻勢を強める専大。すると13分、相手ディフェンスラインの隙を突き、ぽっかりと空いたスペースに走り込んだMF鈴木龍之介がシュートを放つ。しかし、ここはゴール左へ逸れてしまう。
▲ 後半、シュートを放つ鈴木龍之介
17分には、上手く抜け出したFW中杉がキーパーと1対1のチャンスを迎える。だが、シュートはキーパーに弾かれ、決めきることができない。さらに23分、中杉が今度は右サイドを突破し、グラウンダーでマイナス方向へ折り返す。だが、惜しくも味方には合わず、シュートには持ち込めない。
▲ 自慢のスピードを生かして、何度もチャンスに絡んだ中杉
好機を生かせずにいると、34分、冷静にゴールに流し込まれ、リードを2点に広げられてしまう。さらに、その5分後には、決定的な3点目を献上し、万事休す。ゴールを目指し続けた専大だったが、相手の堅い守備が立ちはだかり、最後までネットを揺らすことはできなかった。
専大 0-3 早大
36分 加藤
79分 栗島
84分 金田
今シーズンの集大成を見せたかった最終節。しかし、皮肉にも、もがき苦しみ、勝負どころでなかなか勝利することができなかったこの一年を象徴するような試合となってしまった。さらに、シュート数は、専大の6本に対し、早大は28本。相手の勝利への執念に呑まれた格好となった。これで、今季の戦いは終了。リーグ戦では、夏場に3連勝を達成したものの、結果がついてこないことが多く、苦しい期間が長く続いてしまった。また、降格圏との勝ち点差は、僅かに3と「1勝」の重みが際立ったシーズンとなった。それでも、22試合で37ゴールを奪った攻撃力は、来シーズンも大きな武器となるはず。今季の悔しさをしっかりと胸に刻み込み、捲土重来を誓う新たなシーズンへと、チームは走り出す。
▲ 1年生ながら今季16試合に出場し、チームを支えた遠藤(㉕)と高精度のキックを武器に、チャンスメーカーとして進化を続ける鈴木龍之介(⑳)。来季のチーム躍進の鍵を握る2人と言っても過言ではないだろう
以下、試合後インタビュー
髙﨑康嗣監督
今季を振り返って―
「冷静になってみないと何とも言えないのが正直なところで、今の段階で整理できているわけではない。ただ、山あり谷ありというか、良い時と悪い時のメリハリが明確に出てしまったシーズンだった。良い時の継続ができていない部分や、悪いところを解消しきれていない部分は責任を感じている。その修正ができていないという点が、前節や今日のようなゲームになった要因の一つであることは確か。なかなか上手く表現しきれないが、自分の力不足を改めて感じているのが、正直なところ」
4年生へ伝えたことは―
「彼らには本当に感謝しかないということを伝えた。4年生は非常に真摯にトレーニングに向き合っていたし、いつも全力だった。手を抜くということはほぼなく、常に真面目に全力でやろうとしてくれていた1年だった。確実に言えるのは、僕自身が4年生に支えてもらったということ。彼らのおかげで成長させてもらい、闘うことができた」
今季のベストゲームは―
「何とも言えないところはあるが、僕自身は今日の試合で多くの課題が出たので、今日がベストゲームになると思う。勝ち負けを別にして、印象に残るという意味では、この試合が1番であると感じている。もちろん、夏場に勝ち続けたりとか、1人少なくなっても負けなかった10月の法政大戦とか、前々節の順天堂大戦のように勝たなければならないときに勝ったというのもあるが、課題が出たという点で言えば、今日のゲームが最も印象に残ることになると考えている」
来季へ向けて―
「一旦、整理しないと何とも言えない。こういうふうにやっていきたいというのは今の時点では言えない。シーズンが終わった直後なので、次に向けて考えるのはなかなか難しいこと。しっかりと準備期間があるので、その間に整理して、どのようにするのかを考え、練っていきたい」
氣田亮真
今季を振り返って―
「優勝しようということを、シーズン前に皆で話していた。ただ、それは今季だけではなく、自分が1年生の頃から、自分たちの力を信じていた。しかし、この4年間、なかなか上位争いをすることができなかったので、今シーズンも含めて、悔しい4年間となった」
今季のベストゲームは―
「個人的に言えば、ハットトリックを達成した前期の筑波大戦がベストゲーム。自分にとって、今シーズンのターニングポイントとなった試合だと思う」
後輩たちへ向けて―
「今シーズンは、出場機会があまり多くなかったので、悔しい思いをしていると思う。僕らの代は、1年生の頃から試合に出ている選手も多いが、それでも結果が出なかった。それを見ているからこそ、頑張ってほしいし、薄っぺらいものではなく強い覚悟を持って、闘ってもらいたい」
プロへの意気込み―
「まずは、長崎でしっかりと結果を残して、そこからステップアップしていきたい。置かれた環境の中で、しっかりと全力で取り組み、見ている人を魅了できるようなプレーを心がけて、1試合1試合を大事にしたい」
▲ 得意のドリブルで攻撃陣を牽引し、得点ランキング3位となる通算12ゴールを挙げた氣田。プロでの活躍にも大きな期待がかかる。
西村慧祐
今季を振り返って―
「一言では言えないが、本当に色々な経験ができたとても濃い一年だった」
チームとしての、今季の総括―
「チームが始動した時に掲げた目標とは程遠い結果になってしまった。それでも、自分たちがやり続けてきたことの意味はあると思うし、これからの人生の財産となるものを得られたということが、この一年の収穫になった」
大学サッカーの4年間を振り返って―
「軽く聞こえるかもしれないが、本当に濃い充実した4年間だった。皆と出会えたことはもちろんだが、同じ目標に向かっているサッカーが好きな仲間とか、夢に向かって頑張っている仲間とかが近くにいることで、自分も頑張ろうと思えた。そんな仲間ともうサッカーができなくなってしまうことは、とても寂しいが、そういう人たちと出会えて良かった。そして、仲間だけではなく、指導者も含めて周囲の方々には本当に恵まれていたと思う」
やり残したことは―
「思い返すと、ああやっていれば、こうやっていればというのはたくさん出てくるが、その時に一生懸命に取り組んできたので、やりきったと感じている」
後輩たちへ向けて―
「強い専修を、また作り上げてほしい。特に、試合に絡んでいた下級生は、必ず来季のチームの土台になっていかないといけない。それが彼らの使命だと思う」
期待している選手は―
「3年生全員。正直、1人を選ぶのはなかなか難しいものがある。ただ、自分が1年生の頃と比べて、自分よりもかなりやれているなと思うのは1年生の遠藤光。自分が1年生の時よりも、彼のほうがとても上手いし、自分に無いものを持っているので期待している。これからどうなるのかが、非常に楽しみ。あとは、やっぱり3年生はたくさん可愛がってきたので、応援しているし、期待もしているので、1人は選べない」
これからへの意気込み―
「この4年間ですごく色々な思いをしてきたが、どちらかというと、悔しい思いの方が大きかった。ただ、まだサッカー人生が続くので、この思いを忘れないように頑張っていきたい」
厳しい航海となった今シーズン。志した目標には届かなかったが、どんなときでも、直向きに闘った。ピッチ上の選手たちは、まるで大空を高翔しているようであり、晃晃と輝き、明るく眩しかった。真価が問われる来シーズン。群雄割拠のリーグ戦を連勝街道で突き進めるか。熱い気持ちで、仲間への厚い信頼を持ち合わせてプレーすれば、自ずと勝利は見えてくるはず。今季、「"攻撃的で美しい"サッカー」をスローガンに掲げ、そのスタイルを追求して、示した攻撃力を爆発させたサッカーは観る者を高雅な世界へと惹き込み、将に圧巻の一言だった。来る次のシーズン、どんな状況でも平常心を忘れず、勇敢に戦い、聡慧さをも兼ね備えて、チームは旋風を巻き起こす。
(文=一家駿介・文2、乾桃花・文2 写真=男神愛・商1)