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平成30年度全日本学生フェンシング選手権大会(インカレ)=11月14日~18日、京都府・大山崎町体育館
学生日本一を決めるインカレが今年も京都の地で開催された。大会1日目、男女フルーレ個人の部では菊池小巻(商4・翔陽高)が2年ぶり2度目の優勝、薗田嶺太(商3・検見川高)が6位入賞に輝いた。
大会1日目、男女フルーレ個人の部が行われた。予選プールでは、5ポイント先取の総当たり戦を行いその順位順に決勝トーナメント進出者が決定する。専大からは男女合わせて7名が決勝トーナメントに進出した。次の決勝トーナメントは3分間3セットの15ポイント先取で行われる。女子フルーレ個人では、優勝が期待される菊池が決勝リーグを順当に勝ち上がり、準決勝では全日本選手権チャンピオンの東晟良(日体大)と対戦する。序盤からリードを奪った菊池は、後半相手に差を縮められも焦りをみせず落ち着いてポイントを奪っていく。最後はほぼ同時かと思うほどの一瞬の差で菊池の突きが先手となり決勝に駒を進めた。
▲自分主導の攻めで勝利を決めた菊池(左)
迎えた決勝では、カウンターを得意とする相手にわざと隙を与えて狙いたい場所を誘導させたり、攻めたくなるような動きを誘うなど高度な技術でポイントを重ねていく。相手が菊池の戦略にハマり攻め急ぐ中で菊池は落ち着きながらアタックを仕掛けるべきチャンスをしっかり見極め15-12で勝利。国際大会などの関係で久しぶりの参加となった菊池は学生最後のインカレで2年ぶり2度目の優勝を果たし「関カレも優勝して最後のインカレも絶対に優勝したかったので、優勝できてほっとしています」と笑顔で振り返った。
▲優勝が決まり笑顔で握手する菊池
▲仲間とハイタッチを交わす菊池
男子フルーレでは、唯一決勝トーナメント3回戦進出の薗田の対戦相手は、前回大会も同じく3回戦で対戦し敗戦した永野雄大(中大)。日頃から一緒に練習することが多く「永野君とは研究仲間」と話すほどお互い手の内を知っている者同士だ。序盤は相手にリードされ6-12と差を離されるも6ポイント連取で怒涛の追い上げを見せついに14-13と追い上げる。しかし相手もそう簡単には勝たせてくれない。14-14の一本勝負を迎えると、「泥臭い点の取り方でしたが、最後は気合いで取りました」と話すように気持ちの溢れるプレーで準々決勝に駒を進めた。しかし、準々決勝では「やり方を間違えた」と話すように相手リードのまま差が離されていく。そのまま、試合の流れを変えることが出来ず6-15で敗退。ベスト4への壁は険しかった。
▲気迫のこもった追い上げで逆転勝利を決めた薗田(右)
▲薗田の勝利に喜ぶ仲間たち
~選手コメント~
菊池小巻
―――準決勝の試合を振り返ってみて
東晟良選手は昨年の全日本チャンピオンで、今年のワールドカップも一緒に回っている仲で、練習も一緒にしているのですが公式試合で勝てたことがなかった選手でした。
自分でも合わないなと思っていたのですが、最近の練習で今まで相手の動きに合わせて自分の動きを変えていたことをやめて「自己中になろう」と変えてみました。練習の中で、自分の動きに対して相手がどうやって動くのだろうということを意識して取り組んだことがうまくいき、次第に自分がやりやすいように試合を運べるようにようになりました。最近の練習試合では、勝てるようになり良い調子のままインカレを迎えられました。
相手の動きに合わせていると相手のやりたいようにやられてしまうので、「今回は絶対に自分の動きでやろう」と決めて試合に臨みました。自分が動くことで相手を動かすなど先を考えながら自己中なフェンシングができたことが勝因だと思います。
―――試合中はどのようなことを考えているのですか
例えば、先ほど言った動きに関しては、目安として自分がプレーしているなかで体力的にきついと感じるときや何してもポイントが取れないときは今相手に動かされているなって思います。逆に自分が楽に試合運びできているときは、自分が相手を動かせているなと判断しています。きついと感じるときは、どうやったら自分が楽に試合を運べるようになるかということを考えて自分の動きを変えていきます。
―――決勝の試合を振り返ってみて
決勝の試合はカウンターというやる技が決まっている選手でした。その中でいかに相手の有効面に突けれるかが重要でした。相手は攻撃をかわすことも上手なので、自分がアタックをすると決めたとき以外は簡単には相手の間合いに入らないように心掛けました。また、相手がでたくなるような下がりを意識しました。最初は良かったのですが、途中取られてしまい冷静になって相手が突きたくなるような場所を誘って仕掛けるといったことを決まったので試合内容としてはすごく良かったなと思います。
―――菊池選手の強みを教えてください
プレースタイルとしては、相手の肩を突くのが得意です。ふりこみという剣をしならせて突く技があり特に右利きの人に対して得意です。
今は相手の胸、コルト側を突くことを練習していて今回も決まったりしたので、最終的にはいろんなところを突ける様々なフェンシングスタイルを持てるようになりたいです。
性格としては、負けず嫌いなので試合でもそういうところがでてるんじゃないかなと思います。
―――全日本選手権への意気込み
女王奪還ですね。2年生の時に優勝して、去年は4決めで今回の決勝の相手でもある辻選手に負けてしまったので今年こそ優勝したいです。
さらに今回は全日本初のグローブ座で決勝だけの試合を行うのでどんな感じなのか味わってみたいなとわくわくしています。やっぱり優勝したいですね。
薗田嶺太
―――3回戦の試合を振り返ってみて
3回戦の相手である永野雄大選手は、憧れでもあり研究仲間でもあります。永野君のお父さんにフェンシングを教わっていて、よく専大にも来てくれて一緒に練習したりするのでお互い手の内を知っている者同士でした。この一年間、永野君と何度も練習試合することでどれが相手に通用するのか、何が通用しないのかわかってきたのでそれを整理しながら、今回の試合に臨みました。前半は失点しないように、相手の技を対処しようと受け身になっていたのですが、それだと後手になってしまい先手がとれず苦しくなってしまいました。なので、リードが離された後に1分間の休憩の時があったので、今の状況を整理して相手が自分に対して何を狙ってやっているのか考えて、そのうえで自分が何をすべきか試合運びを変えたことが勝利に繋がりました。
―――アドバイスは自分で考えるのですか
ベンチや上にいる仲間からアドバイスをもらえるのでそこで一度アドバイスを聞きます。ただ、全部が自分と同じ意見とは限らないので取捨選択しながら整理するようにしています。
―――準々決勝の試合を振り返って
敗因は疲労が原因とかではく、自分のやり方の間違いでした。それを試合中に気づいていればもっと試合が変わったのかなと思うと悔しいですね。
―――6位入賞の率直な気持ち
永野君に勝って去年の成績を超えられたことは、自分が今までやってきたことは間違いじゃなかったんだなとほっとしています。ただ、あと一年あるので嬉しいというより、来年6位以上の結果をださなくてはならないと考えるともっと頑張らなきゃと思います。
―――自分の強みを教えて下さい
強いて言うなら、リーチを生かして考えてプレーするところです。最近分かったことでもあるのですが、自分から動き相手をどう動かすかを意識して取り組んでいます。フィニッシュの前のアクションを考えることでプレーが安定してきたことが自分の強みだと思います。
―――今後の目標
どの大会でも安定してベスト4に入れるように頑張りたいです。
また、ワールドカップ(高円宮杯)に出ることが目標です。そのためにも、勝つことでランキングを上げていきたいです。
《結果》
~女子フルーレ~
菊池小巻 優勝
2回戦 〇15-3竹中(日女体大)
3回戦 〇15-7矢ヶ部(朝日大)
準々決勝 〇15-8狩野(早大)
準決勝 〇15-13東(晟)(日体大)
決勝 〇15-12辻(朝日大)
泉澤カンナ(経済3・札幌大谷高)
1回戦 〇15-13伊東(日体大)
2回戦 ●7-15東(晟)
酒井真子(経営1・東亜学園高)
2回戦 ●6-15遠藤(早大)
柏原美歩(文1・熊毛南高)
1回戦 ●11-15手水(日大)
金子秀佳(ネ学3・松陽高) 予選プール敗退
▲積極的に攻める泉澤
▲ガッツポーズする酒井
~男子フルーレ~
薗田嶺太 6位入賞
2回戦 〇15-9久保田(朝日大)
3回戦 〇15-14永野(中大)
準々決勝 ●6-15伊藤(日大)
大江時生(経営4・埼玉栄高)
1回戦 ●10-15榎本(中大)
田高広基(法4・埼玉栄高)
1回戦 ●14-15冨田(中大)
塚本夕太郎(経済3・検見川高)
1回戦 ●8-15藤倉(慶大)
高梨遼太郎(商2・検見川高) 予選プール敗退
▲相手の攻撃をかわす塚本(左)
▲試合を終え握手を交わす田高(右)
(文・撮影=石崎愛奈・法4)