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2018.11.05
野球

【野球部】1部復帰の夢絶たれる 打線最後まで奮わず

11月5日

東都大学野球秋季1部2部入替戦 2日目   専大―中大 @明治神宮野球場


 負けたら終わりという中で迎えた専大は第2戦、1部6位の中大に1-6で敗戦。昨年春以来となる1部復帰とはならなかった。

 初回、福永裕基(文4・天理高)の内野ゴロの間に幸先良く1点を先制するも、先発の佐藤奨真(経営2・関東第一高)が制球を乱しすぐさま逆転を許す。その後は勝田翔紀(商4・大社高)らの投球で最小失点に抑えるも、初回の失点が最後まで響いた形となった。攻撃面では計12三振に抑えられ、自慢の打線が機能しなかった。


▲試合が終わり、肩を落とす選手たち


 <スコア>


専 大|1 0 0|0 0 0 |0 0 0|1


中 大|4 0 0|0 1 0 |1 0 X|6


<スタメン>

1 (中)山田克志(商4・東海大甲府高)

2 (遊)大庭樹也(経済2・明豊高)

3 (二)福永裕基(文4・天理高) 

4 (指)秦匠太朗(経営4・二松學舎大附高)

5 (右)火ノ浦明正(経済3・れいめい高)

6(左)平湯蒼藍(経済3・長崎海星高) 

7 (一)寺澤圭祐(経営3・検見川高)

8 (捕)深水裕貴(経営3・熊本工高)

9 (三)大畑潤平(商2・大社高)

P佐藤奨真(経営2・関東第一高))―勝田翔紀(商4・大社高)―吉川大翔(経済1・坂井高)―角谷幸輝(商3・専大松戸高)


 念願の一部復帰に向けてもう負けられない、気合十分で臨んだ専大。初回からさっそくチャンスを作る。先頭の山田克が鮮やかなセンター返しで出塁。続く大庭は送りバントで走者を進めた。

 打席には昨日から打順を上げた3番の福永。すると福永の打席間に相手の捕手がボールを弾き、山田克は3塁に進む。一瞬の隙を逃さない好走塁で好機を更に広げた。福永は内野ゴロとなったが、その間に3塁走者山田克がホームイン。欲しかった先制点は専大が取った。

▲相手バッテリーの隙を突いて3塁まで進んだ山田克

 1点のリードをもらって先発のマウンドに上がったのは佐藤奨。しかし、先頭をストレートの四球で歩かせると、犠打を挟んで四球を連発し制球が定まらず、いきなり1死満塁のピンチを迎えた。すると5番・堀内には一塁線を破る2点適時打、6番・大工原にはライト前適時打を浴び、一気に3点を失った。制球に苦しみ痛打をくらってしまった佐藤奨。専大も勝田に交代をせざるを得なかった。2番手・勝田は安打こそ許さなかったが、牽制球で走者を挟む間に3塁走者の生還を許すミスが生まれ、この回4失点目を喫した。

▲先発の佐藤奨は本来の投球ができなかった


 それでも勝田は2回からは淡々と打者を打ち取り、アウトを重ねていく。5回に長打から1点を失ったが、第2先発としての仕事は十分に果たした。

▲2番手で登板し、4回3分の1を投げた勝田


 打線は5回まで山田克と平湯のヒット2本に抑えられる苦しい展開。6回、先頭の山田克が今日2本目のヒットをレフト方向に放ち、出塁する。反撃に転じたい専大だったが、次打者の大庭が守備妨害を取られてしまう。空振りした大庭のバットが盗塁阻止を邪魔したというジャッジだった。

 この判定に齋藤正直監督は納得しない表情。グラウンドに飛び出して審判団に詰め寄った。齋藤監督の抗議は10分近くに及んだが、結局判定は覆らず、2死走者無しで試合が再開された。このプレーでチャンスをつぶしてしまった専大はこの回無得点に終わる。

▲6回1死一塁、審判団に抗議する齋藤監督


▲この回先頭で2本目のヒットを放った山田克


 6回からは3番手の角谷が登板。この回は0点に抑えたが、7回はヒットと四球、敬遠で1死満塁のピンチとなると、この日先制打を放っている堀内を迎えた。抑えていい流れを引き寄せたいところだったが、ライトへの適時打を打たれリードは5点に広がった。

▲4番手として登板した角谷


 8回には代打の山本力也(経営4・熊本工高)、途中出場の岡本良樹(経営3・専大松戸高)の連打が出るも、後続が連続三振に倒れまたしても無得点。重い空気が漂った。

 5点差で迎えた最終回。観客席からの応援もいっそう熱が入る。先頭の福永が冷静に四球を選び、後ろにつなげた。

▲四球をもぎとった福永はチームを鼓舞するかのように声をあげた

 続く秦は空振りの三振に倒れるも、火ノ浦は四球を選び、平湯は今日2本目のヒットを放ち、1死満塁のチャンスを迎える。これにはベンチも今日1番の盛り上がりを見せた。専大は代打に谷地亮介(経済4・大田原高)を送り込む。しかし、谷地は内野フライに倒れ、続く大橋将(経営4・天理高)もヒットを放つことはできず、3者残塁でゲームセットとなった。


 2部5位だった春から一念発起して、秋は2部優勝を掴み取った専大。秋リーグでの負けられない試合では、その打力で何度もその危機を切り抜けてきたが、この入替戦では2試合でタイムリーヒット無しと、その良さを発揮することはできなかった。

昨年春以来の1部復帰を目指して戦い続けた専大野球部の秋が終わった。観客席からのあたたかい拍手が鳴り響くなか、選手たちは共に戦った応援団たちに深く一礼し、神宮球場を後にした。


試合後のコメント

齋藤監督

「(勝てなくて)残念です。圧倒的な力がないと上がれないのだな、と。2部は2部でも、(拓大との)優勝決定戦を戦って入替戦に来たということに意味がある。投手の大黒柱がいなかったこと、4番に定着してくれる選手がいなかったことが2連敗につながってしまった。今日先発した佐藤(奨真)も、これでは勝てないんだと気づいてくれたと思います。来年は主力が残っていますし、また頑張ります」


主将の福永

「初回の守りでリズムを作れなくて守備でもミスが出てしまったこと、野手が打てなかったことが最後まで響いてしまいました。リーグ戦は打って打って勝ってきたけど、この入替戦でそれができなかったことが悔しいです。来年以降、後輩には力のある選手がたくさんいると思うので、自分の殻を破ってくれることを期待したいですね」


(飛田翼・文4、写真=冨樫幸恵・文4、飛田)