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2014.04.07
野球

東都大学春季リーグ 東洋大戦第2戦 延長10回の熱戦に競り勝ち、対戦成績を五分に戻す

 4月6日に予定されていた試合が中止により順延され、伊勢原の専修大学グラウンドで東都大学野球春季リーグ東洋大戦の第2戦が行われたのは7日。初戦を落としている専大としては絶対に負けられない一戦。投手陣を中心に粘り強く戦った専大が、延長戦に及ぶ熱戦を2-1で制し、対戦成績を五分に戻した。

 

 

 専大は初回、二死ながらも走者を置いた場面で4番に返り咲いた荒木翔平(経営4・横浜高)を打席に迎える。荒木は死球で出塁するが、続く5番・小林夏樹(経営4・山梨学院大附高)が凡退し、専大初回の攻撃は0点に終わった。

 

 専大の先発投手は、第1戦にリリーフ登板し、悔しい思いをした角田皆斗(商4・栃木工高)。角田は初回を一人の走者も許さず三人で打ち取る。さらに2回には二死三塁のピンチで三振を奪うなど、その後は毎回のように走者を背負いながらも要所を締め、東洋大打線を0に抑えていく。

 

 3回表の専大の攻撃。9番・小野田滉平(経営1・東京学館浦安高)がチーム初安打で出塁する。続く1番・白澤隼人(経済3・神村学園高)はバントの構えをとるが、東洋大の守備隊形を見てサインを変更。これが奏功し、進塁打となって一死二塁とチャンスが広がり、さらに次打者の内野ゴロの間に小野田は三塁へ。二回に角田が抑えた場面と全く同じ状況を作った。3番・重野雄一郎(経営3・専大松戸高)は四球で歩き、打席には再び4番・荒木。しかし、ここはショートゴロに抑えられ、先制点はお預けとなった。

 

 専大のチャンスは4回表にも訪れる。二死から7番・中川龍斗(ネット情報3・佼成学園高)が死球で出塁し、すかさず盗塁を成功させる。その後8番・伊勢裕行(経営1・桐蔭学園高)、9番・小野田が連続四球で満塁のチャンスを演出。しかし、1番・白澤が内野フライに仕留められ、この試合三度目の得点圏のチャンスも活かすことができなかった。

 

 ここまで毎回ランナーは出すものの、得点に繋げられない苦しい展開が続く専大。しかし6回、ついに試合が動いた。先頭の福田晃規(商3・県岐阜商高)がレフトオーバーのツーベースヒット。この日初の長打で専大に先制の大チャンスが訪れる。7番・中川が三塁手に捕らせるお手本のようなバントで一死三塁。さらに四球の後、9番・小野田が二球目にスクイズを決める。第1戦に続き、ここでも専大が先手をとった。

 

 しかし直後の6回裏、初めて1イニングに2本の安打を集められ、一死一、三塁と同点のピンチを迎えるが、ここから角田が圧巻のピッチングを見せる。内、外と投げわけてカウントを稼ぎ、4番・笹川を内角球で詰まらせて浅い外野フライを打たせると、5番・山崎には外のボール球を振らせて三振。二者残塁で1点のリードを守った。

 

 7回を互いに三者凡退で終えた後の8回。5番・小林が見事な流し打ちで安打を放つと、盗塁、進塁打で一死三塁。ここで再びスクイズを試みるも、大きく外され失敗。さらに帰塁時に小林が負傷するなど、少し悪いムードが漂い始める。

 

 その裏、角田は先頭打者に四球を与えてしまう。内野ゴロで一塁走者が入れ替わった後、盗塁、牽制悪送球で走者は三塁へ。三振でツーアウトとしたが、3番・谷澤にライト線への同点タイムリーツーベースヒットを打たれてしまう。それでも後続を打ち取り、同点で最終回の攻防へと入った。

 

 しかし、専大の9回の攻撃は三者凡退。9回裏、絶対に失点したくない専大は、第1戦で好投したエース・池田駿(商4・新潟明訓高)を投入する。池田は安打と犠打でいきなりピンチを背負うが、続く打者から見逃し三振を奪うと、最後はサードゴロに仕留めた。試合は1-1で延長戦に突入。

 

 10回表、先頭の伊與田一起(経営2・明徳義塾高)が右中間を破る三塁打を放ち、球場の盛り上がりは最高潮に。この場面で打席に入るのは3番・重野。打席に入る前に齋藤正直監督に「外野フライなんて狙わずに、ヒットを狙っていけ」と声をかけられたという重野は、レフトへ強烈なライナーを飛ばす。左翼手がボールを掴むや否や、伊與田は迷わずタッチアップ。返球が届く前に、伊與田は勝ち越しのホームを踏んだ。

 

 0点で抑えれば今季初勝利となる10回裏。池田は一死から連打を浴び、最後の山場を迎える。三振でツーアウトとし、対するは4番・笹川。池田と笹川の、一球一球主導権が変わるかのような、一進一退の攻防。張り詰めた緊張感が球場を包み込むなか、池田がフルカウントから投じた一球はボールとなり、満塁となってしまう。そして、続く5番・山崎が打った打球はライトへ高々と上がった。この打球は前進していた右翼手の頭上を越えるかに思われたが、これをこの回から守備についていた髙山裕太(経済2・帝京高)が後退しながら見事キャッチ。その手で勝利をも掴み取った。最後で最大のピンチを凌いだ専大が、今季初勝利を挙げた。

 

 

 この勝利で対戦成績は1勝1敗。勝ち点の行方は第3戦へと持ち越されることになった。

 

 

以下は選手、監督のコメント

 

齋藤正直監督

「(10回、重野には)『しっかりやれ・と。犠牲フライではなく、ヒットを狙っていけ』と伝えた。(初勝利まで)長かったが、その分今までの野球人生で一番嬉しい。(先発の)角田がよく投げたし、キャッチャーも良かった。(第3戦については)本来の力を出せれば競った試合になると思う。そこで我慢しきれるかがポイント」

 

重野選手

「監督が代わっての初勝利は素直に嬉しい。投手陣が頑張っていたのに、3、4、5番が打てていなかったので、自分で決めてやると思って打席に立った。高めを振り抜く意識で(待っていたので、高めの球をしっかり)芯で捉えることができた。外野は浅かったが、伊與田の足ならいけると思った。明日も勝つのみです」

 

 

専大 |000 001 000 1|2

東洋大|000 000 010 0|1

 

 

 

(安江 祐輔・経済3)