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2023.09.05
野球

【野球部】粘りみせるも痛恨の逆転負け 秋季リーグ黒星スタート

〈令和5年度東都大学野球秋季2部リーグ戦=9月5日 上尾 専大4―5駒大〉

▲8回、逆転の3ランHRを浴びうなだれる宮原

 1点のリードを守り切ることができなかった。東都大学野球秋季2部リーグが5日、上尾で開幕した。専大は春季1部から降格した駒大と対戦。1部昇格へ初戦をものにしたかったが8回表、3-2から3番手で登板した宮原明弥(経営1・海星)が2つの死球でピンチを背負うと、2番・岩本選手に逆転3ランを浴びる。9回裏に1点を返すも後続が続かず、4-5で敗北。黒星スタートとなった。



「厳しく攻めすぎた結果です」。宮原は自らの投球を悔やんだ。1点リードで迎えた8回表。先頭・工藤選手を死球で歩かせると9番・髙田選手の犠打、1番・渡辺選手への死球で1死1、2塁のピンチを招く。続く2番・岩本選手への3球目。甘めに入った直球を完璧に捉えられ打球は右翼席へ。痛恨の逆転3ランを浴びた。

▲宮原は1回1/3を投げたがリードを守り切ることができなかった



 開幕マウンドを任されたエース西舘昂汰(経済4・筑陽学園)も序盤に崩れた。3回表、先頭の1番・渡辺選手に左安で出塁を許すと、3番・西田選手の犠打を西舘が悪送球。1死1、2塁で4番・神宮選手に変化球を左前に運ばれ満塁に。続く5番・大森選手には直球を右前に運ばれ先制点を献上。なおも満塁のピンチで6番・三浦選手に適時打を放たれ、2点目を与えた。後続を抑え、4回も3人で抑えたが、この日は4回79球2失点でマウンドを降りた。

▲失点後の西舘

 西舘は「去年やられた相手にはやられたくない気持ちが人一倍強くて、変えると言われたときはびっくりした。いきたい気持ちはあった」と明かした。齋藤正直監督は「ブルペンで30球。あの回の終わりで80球くらい。で、この暑さですから。明日試合があるのであればもう少し西舘に頑張ってもらったんですけど、明日はなかったのでとにかく今日の一戦で色んなピッチャーを使いたいという意志はあった」という考えのもと、西舘を交代したと語った。

▲今試合では長い間習熟を続けていたフォークボールで三振を2つ奪った西舘。「オープン戦での手ごたえはなかったんですけど、今日の試合で手ごたえがあった」と話すが、新たな武器習得となるか

▲2番手で登板した須藤綺梨(経営2・延岡学園)。春の東洋大戦では同じく西舘の2番手で登板し3失点したが、今試合では2回を0点に抑えた。



 一方の打線は好調さを見せた。2点を先制された3回の裏、9番・小柴滉樹(経営3・佼成学園)が右安で出塁すると、1番・西村進之介(経済4・栄徳)の放った打球を一塁手が失策。1死1、2塁とすると2番・小林寛弥主将(経営4・坂井)が「向こうの生命線が変化球だったのでそれをつぶそう」とスライダーを痛打し適時左2で1点を返す。続く3番・松永知大(経済2・創成館)のゴロの間に走者がそれぞれ進塁し4番・外山優希(経営4・開星)の打席、相手の暴投の間に3塁走者が生還し同点。更に山本が直球を右前に運び3点目。上位打線で逆転に成功した。

▲適時打を放った小林


 2点を追う9回裏も9番からチャンスを作った。1死から小柴が右安、西村進が左線二塁打で2、3塁と一打逆転のチャンスをつくると打席には今日2安打の小林。「(カウント)2-3になった場面からは後ろにつなごうという意識で打席に立ちました」と6球目、センターへの大きな飛球で3塁走者が生還。1点差まで詰め寄りなおも2死2塁のチャンスだったが、3番松永が遊ゴロに倒れ4-5で試合終了。初戦を白星で飾ることができなかったが、打線最後まで粘りを見せた。

▲犠飛を放つ小林

▲西村にもあたりが出た


 齋藤監督は「四死球11でよくこの5点で抑えましたよ。粘り強く守ったなという気はしますね」と試合を振り返った。「春はそういう展開になったらあきらめていましたけど最終回にも逆転する勢いでしたので。まあ打つ打たないは経験になってくるので。手ごたえがあった負け方って言ったらおかしいですけど、春とは比較にならない感じはします」と5位に沈んだ春季から成長を見せたチームに手ごたえを感じていた。

 主将小林も夏のオープン戦を経てチームの打撃力を感じている。「打撃陣の積極的なバッティングっていうのをオープン戦の時にテーマとしてやってきたので、監督さんも言いましたけど終盤のあきらめない打線という力はついてきた」。個人としては、春季は二塁手として出場していたが遊撃手へポジションを変更。その中で4打数2安打2打点と結果を残した。「追い込まれてからも空振りをしないという自信がついたというか。オープン戦を経験した中で追い込まれてからでもしっかり粘ってバッティングができるようにはなってきた」と主将の意地をみせた。監督も「ショートでよい動きしてますよ。バッティングに良い影響出てます。どんどん打つと思いますよ」と期待を寄せる。

▲ショート小林、サード西里のポジション変更について監督は「すごい良い方向にいくんだろうなと。非常に手ごたえがありますね」と頷く



 初戦を落とした専大だったが、試合を通して粘り強く戦うことを示した。次戦は大田スタジアムで国士舘大と対戦する。


文=相川直輝(文4)

写真=高橋尚之(経営4)