News

最新ニュース


2024.04.05
フィギュアスケート

【フィギュアスケート部】廣田彩乃 「魅せる演技」極めた競技生活

 昨年度、フィギュアスケート部の主将を務めた廣田彩乃(令6・法卒)。今春に卒業を迎え、先日専修大学フィギュアスケート部として最後の部練に参加した。荒川静香さんに憧れ、4歳から始めた競技生活にいったん区切りをつける廣田。そんな彼女のこれまでを伺った。

▲部練中の廣田

 2月10日に行われた関東学生フィギュアスケート選手権大会が、点数の付く最後の大会となった廣田。この大会について廣田は、「一緒のグループの選手も引退の人が多くて。ずっと4年間一緒に試合に出てきた仲間だったので、楽しく終われたらいいよねっていう話になって。本番前もみんな応援してくれて、割と落ち着いて本番に臨めたと思う」と同年代の選手への感謝を述べた。


 また、「今まで大変だったことや辛いこともたくさんあったけれど、そういうことを思い出しながら滑る余裕があった」とも振り返る廣田。今までのスケート人生で最も苦しかった時期は高校時代だったと話す。「ずっと同じ練習を続けるのも、モチベーションを保つのも難しくて。その時期に結果がついてこなかったり、周りが卒業したりもした」と、当時の苦悩を振り返る。

 だが、そんな時に支えてくれたのが「心の距離が近くて、なんでも相談ができた」コーチの存在だったという。また、高校2年生の時に単身でアメリカに渡り、練習した経験も大きかったと話す。「元々先生とアメリカのコーチが知り合いで、1回中学生の時にチームのみんなで行ったことはあったけれど、1人で行ったことは無くて。先生もびっくりはしていたけど、変わるきっかけになればと送り出してくれた」と廣田は語る。

 また、廣田のパフォーマンスの大きな魅力である、表情豊かに観客に「魅せる」演技もこのアメリカでの武者修行で開花した。「(アメリカの練習では)もちろんジャンプもすごく大事にはしているとは思うけれど、表現の部分や人に見せるということをすごく大事にしていた。それを見た時に、私がしたいのはこっちのスケートだと思って」。この経験が糧となったこともあり、現在まであきらめずに競技を続けてきた。

▲昨年9月の東京選手権で演技を披露する廣田

▲部練でも表情豊かに演技を披露した

 同じ新横浜のリンクで練習していた先輩に誘われ専大に入学した廣田。専大に入って良かったことは「本当にたくさんある」と笑顔で話す。「部員が少ない分部員同士の距離が近いし、監督やコーチもすごく優しくて、人としてすごく尊敬できる部分がある人たちで。あと、OBやOGの方への輪を広げていただくことも多くて。ここに入学して嫌だったなって思うことが一度もない」と強く語った。

 また、3年生になってからはフィギュアスケート部に唯一の同級生である畠山侑己(令6・経済卒)が入部した。廣田は彼について、「感謝している部分がすごくあって。優しいのももちろんだし、まじめに仕事を引き受けてくれた。侑己くんは私とか他の部員に対して尊敬するって言ってくれるけれど、私も侑己くんに対してそういう気持ちがもちろんある」と話す。フィギュアスケート部の部員は、推薦枠の関係で基本は一学年に一人。そんな中唯一の同級生の部員だった畠山へ大きな信頼を寄せていたことを明かした。

▲フィギュアスケート部の集合写真。在校生だけではなくOGや新入生の姿も

 これまで、「魅せる演技」を武器に氷上で美しく舞い続けた廣田。4歳の頃から始まった長いスケート人生を支えてくれた周りの人々へ、感謝の気持ちを述べた。「私はすごく有名な選手ではなかったし、両親や先生、監督や応援してくれている方々が期待してくれていたような結果が出せる選手ではなかったと思うけれど、周りの環境にすごく恵まれてここまで続けてくることが出来て。試合で自分を表現することがこの4年間ですごく楽しく感じた。そういう楽しさを教えていただいて、ありがとうございました」。

▲演技終了後、部員や監督、コーチなどからたくさんの拍手が響いた

文、写真=山口由結(文4)