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〈令和５年度東都大学野球秋季２部リーグ戦＝10月８日、上尾市民球場 専大２－６拓大〉
エースが相手打線の勢いに捕まった。拓大との１回戦に臨んだ専大は５回裏に待望の先制点が入り、リードを守り切りたかったが、それまで好投を続けていたエースの西舘昂汰（経済４・筑陽学園）が６回に同点本塁打を打たれ、その後味方のエラーも絡み４失点で降板。その後も拓大打線の流れを止められず、２－６で敗戦した。
先発のエース・西舘は、中盤まではヒットを打たれても後続をしっかりと打ち取る頼もしいピッチングを披露した。５回裏に生まれた貴重な先制点を守り切りたい西舘だったが、その直後の６回に先頭打者の竹花裕人選手にカーブを左翼席に運ばれ、久々に本塁打を被弾。その後、味方の失策や自身の死球も絡み１アウト満塁の大ピンチを迎えてしまう。しかし拓大打線は止まらず、右安、中犠飛、中安を浴び西舘は５回２／３で降板。今季最大となる４失点を喫した。
その後、緊迫したマウンドを託されたのは須藤綺梨（経営２・延岡学園）。ここで流れを断ち切りたかったが、鈴木喬選手に適時打を打たれさらに２点を失う。打者がアウトとなり３アウトチェンジとなったが、一挙６点を失う苦しいイニングとなった。
▲降板した西舘（左）と登板した須藤（右）
打線は序盤からあと１本が出ず、もどかしい展開が続いた。１回裏、約１か月振りに１番打者の座に返り咲いた西村進之介（経済４・栄徳）がセンターへのヒットを放つも、後続がバント失敗と併殺打に倒れ得点ならず。３回裏では、西里颯（経済３・興南）が四球を選び、続く加藤大悟（経営１・専大松戸）が捕犠野で出塁。さらに遊撃手の失策も絡んで１アウト１，３塁のチャンスを作るもまたもや併殺打となり得点に結びつかなかった。
そんな展開を打破したのが５回裏の宮崎優斗（経営３・佐賀商）による右翼席への先制本塁打。「打った球は多分スライダー。中尾さんからバットの出し方などのアドバイスを受けていて、その結果良く振れるようになった」と、いつも練習でペアを組んでいるという先輩の中尾拓士（経営４・大分）のアドバイスが力になったと話した。
▲公式戦では初めて本塁打を放った
また、８回には途中から出場していた松濤友朗（経営３・専大松戸）がセンター前への適時打を放ち、これがうれしい初ヒット・初打点となった。「１打席目は変な球を打ってしまってミスショットになったので、２打席目はしっかり甘い球を狙っていこうと思っていて」。監督からも「詰まってもいいから逆方向を狙っていけ」と打席に立つ前に声をかけられたといい、その逆方向に打つ意識が今回の結果につながったという。「負けが続いているので、なんとしてでも勝つという気持ちで。そのために、まず自分が打点を挙げられるように」と頼もしく意気込みを語った。
▲適時打を放った松濤
試合終了後の会見で齋藤正直監督は、「ホームランを打たれた後に顔色が変わった。１点を先取して、その１点をすぐホームランで返されたのは相当ショックだったと思う。あそこに投げなければなという表情をしてずっと投げていたので」と、当時の西舘の状況について話した。また、「打線が調子悪いので。１点を取って守りに入ってしまった」と、長く続いている打線の不調も訴えた。
初戦をものにできなかった専大。勝ち星を奪取するべく、10日に行われる２回戦で巻き返しを図る。
文＝山口由結（文３）
写真提供＝宮内春菜さん
