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2023.09.28
フェンシング

【フェンシング部】健闘虚しくベスト8止まり

〈第76回全日本フェンシング選手権大会=9月15~17日、沼津市総合体育館〉


 フェンシングの日本一が決まる全日本フェンシング選手権大会が9月15日から18日にかけて行われ、専大からは10人の選手が出場した。8月のワールドユニバーシティで団体4位となった齋藤華南(経済3・秋田商)を始め全員が健闘するも、最高でベスト8止まりとなり、18日に行われた準決勝へ駒を進められない悔しい結果に終わった。


 15日には女子エペと女子フルーレの試合が行われ、女子エペには齋藤、市ヶ谷愛(文3・高松北)、伊藤凛(人間科学3・安来)、吉田ひなた(人間科学2・気仙沼)、宮田咲希(人間科学3・北陸)、女子フルーレには成田美礼(経営3・聖霊女子短大付属)が出場した。初めに行われた5点先取の予選プールでは、成田が全勝するなど6人全員が決勝トーナメントに歩を進めた。


 15点先取となる決勝トーナメント1回戦では、4月の日本学生フェンシング・カップで3位に輝いた吉田が持ち味である相手の隙を狙う攻撃を見せた。互いに攻撃を仕掛けられず流れが傾かない展開が続くも、中盤には相手の攻撃の隙を突き得点を重ねた。しかし後半になるに連れて徐々に流れを相手に持って行かれてしまい、惜しくも14対15で敗戦した。 

▲試合に挑む吉田

また、伊藤も11対15で敗戦し、吉田と同じく1回戦負けとなった。「予選からあまり勝ちたいところで勝ちきれなかった。予選の結果でトーナメントの結果も変わってくるので、もう少し予選で勝ち切りたかった」と後悔をにじませた。しかし、「予選の最初で3敗してしまって。いつもだったらそのまま次の試合も負けてしまうけど、気持ちを切り替えて勝てたことが今までと違った」と気持ちの部分では成長できたと述べる。関東インカレの数日前に行われるランキングマッチが次戦となる伊藤。「予選でもう少しちゃんと勝ち切れるように。自分で自分を苦しめている感じがするので、しっかり勝ち切れるようにしたい」と意気込んだ。

▲試合終了後の伊藤

 一方、凄まじい粘りを見せ9対8で勝利したのは市ヶ谷。序盤は受け身気味だったものの、試合が進むに連れて徐々に自分の攻撃を見せていく。膠着状態となっていた中盤を経て、終盤では一気に攻め込み、勝利を引き寄せた。試合中はフェンシングの経験者である父親のアドバイスが市ヶ谷の背中を押した。「お互い見合っていて中々チャンスが掴めなかったが、立ち位置を変えてみてと(父親に)言われた。そのアドバイスが良かった」。次戦ではベテランの選手である佐藤希望選手(大垣共立銀行)に敗れたが、「勝負したいところで勝負することが出来たのは良かった」とその日の試合全体を通しては好意的に振り返った。

▲「自分から相手を動かしてチャンスを作りたかった」と試合後に語った市ヶ谷。インカレでは団体優勝を目指す


 トーナメント2回戦目には、1回戦目で15対14と競り勝った宮田が原田紗希選手(三田フェンシングクラブ)と対決。序盤から点の取り合いが続いたが、相手を端まで追い込み、そこから突くなど積極的な攻撃も見せた。しかし、徐々に押され気味になっていき相手に連続で点を入れられてしまい11対15で敗戦。ベスト32の結果に終わった。

▲攻撃を仕掛ける宮田(右)

 一方、フルーレの成田も同じくベスト32となった。予選で全勝し、上位8人となりシードを獲得し2回戦からの出場となった成田。「すごく強い選手が何人もいたが、物おじせずに自分の試合にして勝ち切ることが出来た」と予選の結果に関しては嬉しさをにじませたが、「トーナメントの15本勝負になると、3セットあるし点を取られても私が連続得点で取り返せばいいや、という安心感があって」とトーナメントの戦い方については反省点を述べた。また、最後の試合では13対12で負けている状況から残り5秒のところで突いたものの、審判に得点が認められずそのまま敗戦してしまった成田。「もっとアピールするべきだった」と後悔を述べた。「あとでコーチや監督に『なんでもっとガツガツ行かなかったのか』と言われて。そういう戦い方をした自分自身のフェンシングも悪いとは思うけれど、そういう場面の対応がまだできていなかったのでもう少しそこを勉強できれば」と次に向けて反省点を語った。

▲成田(左)。試合後には「嬉しい場面と悔しい場面の2つが混ざって変な感情になっている」と話した


 今回の大会での上位入賞候補であったエペの齋藤も、成田と同様にシード権を獲得しておりトーナメントの2回戦目から出場した。攻撃の手を一切緩めず、3回戦目では15対7で勝利するなど相手を寄せ付けない攻撃を見せた。そんな齋藤の準々決勝に立ちはだかったのは、市ヶ谷をわずか2得点に封じ込めて勝利した佐藤希望選手だ。序盤に2点リードされ、そこからは中々責められず、また相手もそこまで攻めてこない攻撃が続き、最後までリードを許したまま13対15で敗戦した。この結果について齋藤は、「最初に2点リードされて、そこから私が取りに行こうとしても合わせてくるというか、勝負してこなかった」と、相手のベテランだからこその戦い方に翻弄されてしまった齋藤。「ああいう展開は初めてだったので、収穫になったと思う。あのような展開に持っていかれても勝負できるようにならないといけないし、それ以外のところだったら自分のベストは出せたんじゃないかな」と前向きに振り返った。

▲一気に攻める齋藤

▲悔しさから試合後はしばらく立つことが出来なかった

 今回、全員が悔しい結果に終わってしまった専大フェンシング部。この経験をバネにして、今後の関東インカレ、そして全国インカレを戦っていく。

文=山口由結(文3)、写真=佐藤亮平(経済3)