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2023.04.29
野球

【野球部】ようやく初勝利! 山本健斗逆転V弾

〈令和5年度東都大学野球春季2部リーグ戦=4月29日 大田 専大3―1国士大〉


▲逆転2ランを放った山本健斗。今季初勝利を大きく呼び込んだ。


 暗いトンネルを抜け出した。開幕4連敗で単独最下位に沈む専大は国士大と対戦し、開幕5試合目にしてようやく初勝利を手にした。0-1で迎えた4回に不調に苦しむ山本健斗(経済4・松商学園)が2ランを放ち逆転に成功。最終回にはこちらも不調だった外山優希(経営4・開星)に適時打が生まれ勝負を決めた。先発の西舘昂汰(経済4・筑陽学園)はこの日も相手打線を制圧し、4安打11奪三振完投。4年生が執念を見せ、長いトンネルを脱出した。


 不振にあえいだ大砲がチームを救った。1点を追う4回、2死2塁から山本健が打席に入る。「甘いところに来たら積極的に行こうと思った」と2球目のチェンジアップを振り抜いた。高く上がった打球は風に乗り、左翼席奥のネットに突き刺さる逆転2ランとなった。


 春のオープン戦で7本の本塁打を放つなど開幕前は絶好調だったが、試合前時点で打率.133とリーグ戦開幕後は絶不調。打線のブレーキになっていたが、感覚を取り戻すためにコーチとともに自身の打撃と向き合った。打席に入る直前には齋藤正直監督から「開かないように」と助言を受けた。苦しんだ末にようやく生まれた一発。山本健はほっとした表情でダイヤモンドをゆっくり一周した。齋藤監督も「東農大戦の最後に適時打が出ていた。ああいう時はバッティング上昇しますから。これから打つでしょう」と安堵した。


▲迷いなく振り抜いた山本健。「上手く拾えました」と喜んだ。


 主砲のバットも火を噴いた。山本健同様に本調子ではなかった4番の外山はこの日2安打。4回2死から左中間の間を抜く二塁打で逆転劇を呼び込むと、最終回には無死2、3塁から一塁手の脇を強烈に破るダメ押しの適時打を放った。「(4回の二塁打は)打ったのは真っ直ぐ。真っ直ぐが来たら振る意識で待っていた。最終回の適時打もあの二塁打が大きかった。1本出るとやっぱり違う」。チームの浮上に4番の活躍は不可欠。悩める副主将が本来の姿を取り戻した。


▲4回に左中間に二塁打を放った外山。

▲外山は9回にも適時打が飛び出しこの日は2安打1打点。「2打席目の二塁打で楽になった」と振り返った。


 エース西舘は大観衆の前でも支配的だった。初回に味方の失策で先制点を与えたが、2回以降は本塁を踏ませなかった。「今日はこれまでにないくらい緊張した。初回は自分の持っているもの以上のものを見せようとしてしまった」と大観衆を前に浮足立っていたが、試合が進むにつれて冷静さを取り戻した。序盤は直球を狙い打ちされたが、中盤以降はスプリットやツーシームを効果的に織り交ぜ国士大打線を翻弄。その変化球が威力十分の直球を引き立たせた。4回無死1塁からから最後の打者まで18人連続アウトを記録するなど、11奪三振で完投勝利。この日も圧巻の投球を見せた。


▲西舘は変化球で交わす新たなスタイルを披露。150キロの直球もまともに当てさせなかった。


 指揮官は「西舘と言えば真っ直ぐで押してくる、というところで変化球を要所要所で上手く使えていた。1点取られた後もピタッと抑えてくれた。味方に勇気を与えてくれた」と称賛。エースも「逃げていくボールや縦に落ちるボールで空振りを奪えた。変化球を入れるだけですごく楽になった」と振り返った。


▲この日も加藤大悟(経営1・専大松戸)と息ピッタリ。加藤のリードが西舘の支配力を高めている。


 4年生の活躍で長いトンネルを脱した専大。齋藤監督は「(今日から)6連勝!」と意気込みを話し、山本健を笑顔でねぎらいながら球場を後にした。


文=野見山拓樹(文4)

写真=増田美海(文3)