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2015.04.02
ラグビー

【ラグビー部】【専Sation第13号番外編】専大ラグビー部監督 村田亙インタビュー後編

3月11日に発行された「専Sation第13号」の中で、村田監督のインタビューを掲載しました。

ここでは誌面の都合上、掲載することのできなかった村田監督のインタビューを、前編・後編の2回に分けて掲載致します。


前編


※今季・今年…2014年、昨季・昨年…2013年、来季・来年…2015年

※選手の学年は2014年度のもの

※インタビュー取材は12月中旬、入れ替え戦後






・リオ五輪の前に専修大学


――専大ラグビー部の監督就任に至った経緯を教えてください。


「監督に就任する前の1年間は、アドバイザーという形で関わらせてもらっていた。当時の監督で中々結果が出ない時期に、上の方から『来季は7人制を置いといて、まずは自分のチームを立て直してくれないか』と監督就任の打診があった。ただ、『ああ早かったな、もう来たか』と。

私としては7人制ラグビー日本代表の監督としてリオ五輪に行きたい、という思いもあったけど、まずその前に専修大学だと。専大ラグビー部が10年間も2部にいたという今までの経緯を考えると、私が監督をすることが専大OBの一番の願いであったと思うし、私が監督になることで学校がどんどん変わっていくのであれば、ということも期待したのだろう。だからやるしかないなと。

以前私が出た専Sation(第4号)の特集の中で、『いつかは専大ラグビー部の監督になりたい』ということを言っていて、それが少し早まったかなというだけのこと。リオ五輪には行けなくてもその次の東京五輪は狙える。専大で結果を残して、東京五輪では7人制ラグビーの日本代表監督をやるというのは今の夢。専大ラグビー部の監督になって3年が経ったけど本当にいい仕事をさせてもらっているなと思う。自分が好きなことが今仕事になっているから」



――もし、もう一度代表監督をもう一度やってくれませんかというオファーが来たらどうされますか?

 「断るよ。まず断る。『自分に時間のあるときは、代表のサポートもできるけど、監督はできない』とはっきり言える。なぜなら、今はこっちの夢をしっかり追わないと、二兎は追えないから」




・「今の専修大学を見てほしい」


――今年は専大体育会全体を見ても、結果を残した部活が多かったと思います。明るいニュースがとても多かったので、そういったニュースの影響を受けることはありましたか?


「当然。一番影響を受けたのは野球部。同じ伊勢原のグラウンドで頑張ってきて、先に1部に上がられて、すごくいい刺激になった」


――専大は古豪と言われる部活が多いと思います。ラグビー部もそういう括りに入ってしまっていた時期があったと思うのですが、そのことについてはどうお考えですか?


「それはもう過去のこと。野球も今までで一番優勝回数が多いと言われているけど、そういうのは過去の話。過去というのはどんどん消していかないと新しいものは入ってこない。私自身の過去の栄光というのも数多くあるけど、いつまでも過去の栄光に浸っていると自分の成長は無い。だからそういったものを全て忘れる。それで私は今何をやっているのかというと、専大ラグビー部の監督。今は専大を勝たせることが自分の評価につながってくる。もちろん『昔は強かったのに、なんで今は…』って言う人も中にはいるけれど、今の専修大学を見てほしい」


――昔の時代と比べて大学スポーツを観る学生が少なくなった、という話を専大OBの方のお話でよく聞きます。今、専大体育会が強くなってきているこの時期に、どうしたら学生に大学の部活を観てもらえるようになるのか、監督ご自身はお考えになったことはありますか?


「やっぱり練習を観に来てほしい。どれだけ激しいことをやっているのかというのを。あとは授業のカリキュラムで年4回は伊勢原に来て、ラグビーと野球を体験するとか。それはラグビーも本物のラグビーではなくて、今ならタグラグビーやタッチラグビーという危険の少ないラグビーがある。それで午前中はラグビー、昼食を体育寮で一緒に食べて、午後は野球をやるとか。そういうことをすれば、『こんなところでこれだけ頑張っているんだな』というのを一般学生にも感じてもらえる。そういうことが必要なんじゃないかな。本当はキャンパスの隣でラグビー部だったり野球部だったりが練習していればいいんだけど。

 あとは昼休みにテレビやモニターで体育会の試合やダイジェストを流したりとか。その中の選手へのインタビューで『あっ、この人経済学部なんだ』とか『この人ラグビー部だったんだ』とか思ってもらえればいい。体育会の学生と一般学生とのコミュニケーションができる場が欲しい」




・4年生の存在と3年生への期待


――4年生が抜けた穴が非常に大きいと思いますが、その穴を埋めるためにはどういったことが必要だと思いますか?


「今年の4年生は本当に頑張ってくれた。ある意味歴史を作ってくれた4年生だった。棚橋(宗一郎、経営4・國學院大栃木高)が主将だったけど、それをカバーしたのがフォワードの棚谷(慎太郎、商4・秋田工高)、バックスで司令塔だった北田光司(商4・常翔啓光学園高)。北田が影の主将としてチームをまとめてくれていたことが大きかった。プレーでもそうだけど、ああいう明るい性格の選手をまた新たに活かしていかなきゃいけない」


――4年生に贈る言葉はありますか?


「4年生には『本当にありがとう』と言いたい。『本当にお前らが歴史を変えてくれた』と。一生残るから、今年のメンバーは。選手22人にマネージャーを入れて23人。本当に4年生はよくやってくれたなと。今年の棚橋組というのは、4年生ががっちり固まった良いチームだった」


――監督の期待する選手はいますか?


「これは全員なんだけど、その中でも3年生。3年生は自分たちが来年4年生となってチームを引っ張っていくことになる。最上級生が誰一人欠けずに同じ方向、同じベクトルを向いて引っ張っていってくれれば、それに対して3年生以下はついてくると思う。だから特に期待したいと言ったら選手全員なんだけど、その中でも3年生、今度の4年生になる選手たちには、本当にチームを引っ張っていってもらいたい」



いよいよ2015年度の幕が上がる。

専大ラグビー部の2015年度のスローガンは「専修旋風・Sensation」。

13年ぶりに帰ってきた1部の舞台に“旋風”を巻き起こせるか。

シーズン終了時に再び、村田監督が歓喜の中心にいることを期待してやまない。




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