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JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦(後期)
第20節 VS順天堂大学蹴球部
11月9日(土) 14:00Kickoff
@千葉県総合スポーツセンター東総運動場(千葉県旭市)
専大 4-0 順大
前節は、桐蔭大を相手に最後の最後まで追い縋るも、あと一歩及ばず敗れてしまった専大。その敗戦によって、"残留争い"という名のぬかるみに足を突っ込む形となってしまったが、まだ自力で残留を決められる立場に在る。まずは、今日の試合に勝利し、3連敗中という嫌な流れを断ち切ることが重要だ。対する順天堂大学は、後期リーグはここまで僅かに1勝と調子を崩している。しかし、来シーズンに川崎フロンターレへの入団が内定している10番・旗手怜央を中心とした攻撃陣はリーグ屈指。専大としては、攻守において粘り強さを見せ、リズムを作り出したい。
以下、スターティングメンバ―(3-4-3)
GK 1 桐林海生 (経済4・神戸国際大附属高)
DF 8 河上将平 (人科4・東海大付属静岡翔洋高)
DF 4 西村慧祐 (法4・習志野高)
DF 6 笛田翔 (法4・共愛学園高)
MF 21 浦川流樺 (文2・青森山田高)
MF 5 鹿沼直生 (経済4・静岡学園高)
MF 20 鈴木龍之介 (経済3・成立学園高)
MF 2 古屋誠志郎 (法4・市立船橋高) 後半42分 OUT
FW 13 鈴木厚太 (商4・飛龍高) 後半30分 OUT
FW 9 岸晃司 (経営4・川崎北高) 後半38分 OUT
FW 10 氣田亮真 (文4・千葉敬愛高)
途中出場
FW 11 中杉雄貴 (経営4・追浜高) 後半30分 IN
FW 22 吉田和拓 (経済2・都立新宿山吹高) 後半38分 IN
DF 32 今村太一 (法2・東海大付属福岡高) 後半42分 IN
前節から、DFラインの3枚のうち、2枚を変更。DF河上は第15節以来、DF笛田は第14節以来のスタメンとなった。前期リーグでの順大との対戦は、0-4の大敗。シュートも計4本に抑え込まれ、攻守において圧倒されてしまった。今日は、その試合の借りを返し、苦い記憶を抹消したい。
試合は、序盤から専大ペース。前半5分、相手キーパーにパスが渡ったところに、FW岸がプレスをかける。岸はボールを攫ってシュートを放つが、これは強さが足りず、キャッチされてしまう。14分には、裏へ抜け出したFW鈴木厚太がキーパーと1対1のチャンスを迎える。しかし、放ったシュートは相手の好守に遭い、ネットを揺らすことができない。それでも、直後の16分、今度はFW氣田が抜け出してペナルティエリア内へ侵入すると、飛び出してきたキーパーに倒されPKを獲得。
▲ 氣田が相手の守備網を掻い潜り、抜け出したところを倒され、PKを獲得する
このPKを、氣田が自らゴール左に決め、幸先良く、先制に成功する。
▲ PKを蹴り込む氣田。もしかすると、このPKが決まった瞬間から既に試合の大勢は決していたのかもしれない
このゴールで、上昇気流に乗った専大は19分、MF鹿沼のパスに反応した鈴木厚太がゴール左を狙ってシュート。これは、キーパーのファインセーブに阻まれるも、迎えた23分、鹿沼のパスに今度は氣田が反応。ディフェンスラインの背後へ抜け出すと、冷静にゴールに流し込み、リードを2点に広げる。
▲ 貴重な追加点を挙げた氣田(⑩)がメンバーたちから祝福を受ける
その後も、容赦なく攻め込む専大。31分の氣田のミドルシュート、直後の岸のシュートは枠を捉えきれないが、守備では狙いどころを明確にした対応が功を奏し、相手にチャンスらしいチャンスをほとんど創出させない。すると38分、左サイドで突破を試みたMF古屋が倒され、FKを獲得する。キッカーのMF鈴木龍之介は、ファーサイドへボールを供給。それを鈴木厚太が中央へ折り返すと、そのボールに反応したDF西村が体ごとゴールへ叩き込み、さらに相手を突き放す。
▲ ゴールへの執念を見せ、チーム3ゴール目を奪った西村(左から2人目)を讃え、メンバーたちが駆け寄る
前半は、このまま3-0で終了。大きなアドバンテージを得て、試合を折り返した。
後半に入っても、アグレッシブさを維持し、試合を支配する専大。7分、ペナルティエリア内で岸が相手を背負いながらボールを受ける。巧みなターンからシュートを狙うが、キーパーの好守に阻まれ、決められない。17分には、抜け出したMF浦川が右サイドをえぐり、マイナス方向へ折り返す。中央で待っていた氣田がシュートを放つが、これはゴール上へと外れてしまう。するとその直後、一瞬の隙を突かれ、裏への抜け出しを許し、強烈なシュートを放たれる。だが、GK桐林のスーパーセーブで何とかピンチを切り抜けると、34分に再びチャンスが舞い込む。中央でボールを持った鹿沼から、ディフェンスラインの背後を突いた右サイドの浦川へパスが送られる。浦川はクロスを上げるが、ゴール前の岸には僅かに合わない。しかし、その直後、再び右サイドを破った浦川がクロスを供給。ゴール前で構えていた岸が、今度は巧く合わせて、止めの一撃をゴールネットに突き刺す。
▲ 4点目に繋がるクロスを供給する浦川(㉑)
▲ 待望のゴールを挙げ、笑顔の岸(⑨)と、それを讃える中杉(⑪)、鹿沼
その後の守備でも、高い集中力を保ち続け、順大の攻撃陣をシャットアウト。攻撃では、途中出場のFW中杉やFW吉田がゴールへと迫り、貪欲な姿勢を崩さない。5点目は奪えなかったものの、4-0で試合は終了。大量得点はもちろん、第4節以来の無失点も達成し、次節の集中応援へ向けて、追い風となる勝利を手にした。
▲ 2点目のアシストを記録した鹿沼。攻撃の起点となり、多くのチャンスを生み出した
▲ 今季リーグ戦初出場を飾った今村。短時間ながら、果敢なプレーを見せた
専大 4-0 順大
16分 氣田
23分 氣田
38分 西村
80分 岸
ワンダフルなゴールラッシュに加え、無失点での白星。相手のシュートも5本に抑え、前回対戦(5月)のミラーを見ているかのような試合展開は、あたかも半年前に投げつけられたブーメランをそのままの勢いで、相手に突きつけているようだった。この勝利で、降格圏との勝ち点差は残り2試合で6となり、残留にも大きく前進。爽やかな秋晴れの中で行われた試合だったが、ピッチ上には"緑の嵐"が吹き荒れていた。
このままの勢いで次節も勝利を掴めるか。ゴールを陥
れるべく積極性を大切にしたい。今日の試合は、これ
ぞ専大の底力とも言えるような快勝劇となった。
専大サッカー部としての意地と誇りを見せるには
大きな意味を持つ今後の2試合。すべて
の側面で、自分たちのすべての力を出し切り
底知れぬ練習で培ったものを体現する。
力強く「勝ち点3」を奪って、3連勝でフィナーレを迎えたい。
以下、試合後インタビュー
髙﨑康嗣監督
試合を振り返って―
「守備がよくできていた。いい形でボールを奪って、カウンターに繋げられたのは非常に良かったと思う。特に前半は、我々にとって少し有利な展開となっていた。その中でも課題が見えたのは事実だが、4点も取れたのは選手たちの頑張りだと感じる」
久々の無失点だったが―
「相手に助けられた部分もあったが、彼らなりにしっかりと対応することができていた。前を向いて、いい形で奪えるチャンスが多かったという点も良かった。その前を向く姿勢が、無失点の要因になったと思う」
次節の集中応援へ向けて―
「皆が応援してくれる場で、選手たちが躍動して、戦い抜いてくれればと感じている。皆が見ているときこそ、より一層いいプレーをしてほしい」
氣田亮真
試合を振り返って―
「今日は、守備のやり方をいつもと変えて、引いたところからスタートしようということだった。それがうまく機能して得点に繋がったので、良かった」
1ゴール目を振り返って―
「本当は抜け出した勢いのまま直接決めたかった。ただ、僕自身がグラウンドに慣れていなくて、タッチが少し大きくなってしまった。それでも、結果的にPKを獲得できたのは良かったと思う。2試合連続でのPKだったので、普段よりキーパーに読まれてしまう可能性が高かったため、少し緊張したが、上手く決めることができた」
2ゴール目を振り返って―
「笛田から縦パスが入った時に、前を向こうとしたがうまくいかなかった。それでも、動きを止めることなく連続して走り出して、鹿沼と目が合ったので、彼がいいところに出してくれた。(鈴木)厚太も上手く潰れてくれたので、皆で取ったゴールだった」
後半はハットトリックへの思いが滲み出ているように見えたが―
「前期リーグの最後の3節は、ハットトリックから始まって、そこからゴールを量産できていたので、後期リーグもその流れを作りたかった。個人的にも、得点王になるには少し厳しい位置だが、それでも狙いたいと思っている。今日は、3点と言わずに、もっと取ることができるシーンがあったので、2ゴールに留まったという点では、悔しさもある。ただ、ここからでも得点王を狙うという姿勢を後輩たちに感じてもらえれば、来シーズンにも繋がると思う」
次節の集中応援へ向けて―
「いつもより多くの方が来てくれるので、来てくれた方々を魅了できるようなプレーをして、勝ちたい」
▲ 2ゴールを挙げ、得点ランク3位となる11ゴールとした氣田。この試合でも"魅惑のドリブル"で攻撃陣を牽引した
岸晃司
試合を振り返って―
「得点を決めた以上に、多くのシュートを外してしまったので、もっと決められたという試合だった」
ゴールシーンを振り返って―
「あの時は、体が勝手に動いてくれたので、ラッキーだった」
前線からのプレスが効いていたが―
「今日は、チームとして、そのやり方を選んでいた。チーム全体でいい守備ができていたと思う」
次節の集中応援へ向けて―
「集中応援なので、絶対に勝って、いい形で終われるようにしたい」
▲ 技術の高さを見せつけるゴールを奪った岸。いつも以上に積極性が光った
鈴木厚太
試合を振り返って―
「練習から守備のやり方を変えて、それが試合を通してうまくいったので、この結果に繋がったと思う。皆でやるべきことを合わせられたので、良かった」
3点目のシーンについて―
「ファーサイドに来ると思い、自分がそちらへ流れたら、いい位置にボールが来た。本当はゴールを狙ったが、ボールが飛んだ方向に偶然、(西村)慧祐がいてくれて、入ったという形になった」
次節の集中応援へ向けて―
「集中応援ということは、いつも以上に勝利が求められる。その中で、しっかりと勝ち続けたい」
▲ 2試合連続のゴールとはならなかったが、多くのチャンスに絡み、3点目のアシストを記録した鈴木厚太
鈴木龍之介
試合を振り返って―
「いつも通りの戦い方とは少し違ったが、自分たちのやろうとしていたことは、うまく機能していた。だからこそ、このスコアに繋がったと思う。いつもより重心を低くプレーして、狙いどころをはっきりさせたことで、相手が迷ったので、良い形でボールを奪えたシーンが多くあった」
3点目のシーンについて―
「そこまで正確にファーサイドを狙っていたわけではないが、キックの質は悪くなかったと感じている」
セットプレーのキッカーを務めているが―
「キックは自分の武器でもある。その部分で、アシストなどでチームに貢献するのは、自分の存在感を出すことにも繋がっていると感じる。そこは、非常に意識している」
次節の集中応援へ向けて―
「今は力を入れて、集中応援の集客を行っている。そこに力を入れているからこそ、本番である試合が大事になってくる。全員でしっかりと勝利を掴みにいきたい」
▲ ここまで出場5試合ながら3アシストを記録している鈴木龍之介。この日も洗練されたキックで好機を演出した
浦川流樺
試合を振り返って―
「順大は、ボールを持つのが上手なチーム。なので、いつもと戦い方を少し変えて、自分たちが引いてボールを奪ってから素早くカウンターを仕掛けるようにした。それが、うまくはまったと感じる」
4点目のシーンについて―
「その直前のプレーで、自分がセンタリングを上げたが、ミスで少しボールが浮いてしまった。4点目の時も少し浮いてしまったが、(岸)晃司くんがオーバーヘッドで決めてくれて、嬉しかった」
次節の集中応援へ向けて―
「残留を決める上でも、インカレに奇跡的に出場するためにも、勝利が絶対に必要になる。集中応援なので、何としてでも勝ちたい」
▲ 底なしのスタミナでサイドを何度も駆け抜けた浦川。ダメ押しとなる、チーム4点目をお膳立てした
西村慧祐
試合を振り返って―
「少し割り切って、相手に合わせたようなゲームになったが、それがうまくはまって得点を重ねることができた。守備では無失点、攻撃では複数得点というのは、すごく良かったと思う」
ゴールシーン振り返って―
「キッカーの(鈴木)龍之介は俺を狙ったと思うが、ボールが超えて、(鈴木)厚太のところへ流れた。ただ、そこで厚太が上手く折り返してくれたので、ごっつぁんゴールという感じだった。厚太もシュートを狙ったと言っていたが、たまたま俺のところにボールが来たので、貰った形になった」
無失点について―
「ある程度守備で構えて、相手の狙ってきたところを取りに行くという戦い方をした。いつもなら、前から積極的に奪いにいくところを、今日は相手に持たせる時間を与えて、その中で狙っていった。そのやり方が、うまくはまったことで、結果的に皆が最後まで集中力を切らさず、ゴール前を固めて守ることができた。その部分が、相手をゼロに抑えられた要因だと思う」
次節の集中応援へ向けて―
「残り2試合となったが、まだ何も決まっていない。集中応援には、たくさんの方が来てくれると思うので、自分たちらしいサッカーを見せて、また勝てるように、この1週間頑張りたい」
▲ DFながら、チーム内2位となる今季6ゴール目をマークした西村。頼れる専大のキャプテンは、守備だけでなく、攻撃でもチームを引っ張っている
(文=一家駿介・文2、乾桃花・文2 写真=乾、男神愛・商1)