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2018.12.16
バスケ

【男子バスケ部】16年ぶり栄冠を逃すも、堂々の準優勝!

70回全日本大学バスケットボール選手権記念大会

決勝戦 vs東海大

1216日(日) 14:00tipoff

 



 ついに、この舞台に辿り着いた。1216日、大学日本一を決める全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)の決勝が行われ、16年ぶり2回目の優勝を目指す専大は、関東リーグの覇者・東海大学と対戦した。前日の試合後のインタビューで、佐々木優一監督は「自分たちのバスケットをやりたい」と意気込みを語ってくれたが、試合の立ち上がり、専大の選手たちには硬さが見られた。ボールを回し、フリーの選手を作るも、シュートがことごとくリングに嫌われてしまう。インサイドの要、#30フィリップがゴール下で強さを見せて得点を重ねるも、立ち上がりから安定したプレーを見せた東海大に第1ピリオド終了時点で10点差をつけられる。その後、#34盛實のアシストから#12西野が得点。その#12西野が相手シュートをブロックするなどディフェンスでもチームに貢献する。流れをつかんだと思われたが、東海大の厳しいディフェンスがその流れを渡さない。インサイドで#30フィリップをノーファウルで抑えるなど徹底した守りを見せ、東海大が二桁リードを保ったまま前半を終える。後半に入ると、硬さが取れたのか、専大は反撃を見せる。中・外とボールが回り得点すると、#10大澤の3ポイントシュートが決まり点差を一桁まで縮める。さらに、#23キングが速攻からバスケットカウントを成功させ、一時は専大ペースで試合は進む。しかし、最後までシュートの精度が落ちなかった東海大が最終的にリードを広げ、試合終了。70-88で敗れ、16年ぶりの優勝とはならなかった。それでも、専大は昨年の2回戦敗退から大きく躍進する準優勝という成績で大会を終えた。

 

 

専大 70(12-22,16-20,21-23,21-23)88 東海大

 

スタメン

#88 重冨周希(経済2・福岡第一高)

#34 盛實海翔(3・能代工高)

#10 大澤希晴(経営4・長野俊英高)

#12 西野曜 (経済2・近畿大附高)

#30 アブ フィリップ(経営3・アレセイア湘南高)

 



 第1ピリオド、専大は#30フィリップが得点を重ね、オフェンスを引っ張るも、全体的に硬さが見られる立ち上がりとなる。フリーの選手が生まれる中、なかなかシュートを決めきることが出来ない専大に対し、東海大は安定したプレーを見せる。高確率でシュートを決めると、ディフェンスでも簡単に中に入れさせず、専大は徐々に難しいシュートを打たされる場面が多くなる。残り2分という時間帯で早くも10点差をつけられると、専大はタイムアウトを要求。何とか流れを変えようと試みる。タイムアウト後は厳しいディフェンスを見せ、東海大の勢いを止めると、途中出場ながら今大会多くのプレータイムを得ている#46寺澤大夢(文1・東海大諏訪高)が持ち味のゴール下で得点を奪う。しかし、点差を縮めることができず、12-2210点差は変わらないまま、第1ピリオドを終える。

 

▲第1ピリオドのオフェンスの中心となった#30フィリップ




 第2ピリオド、開始早々に専大は#34盛實のアシストから#12西野がミドルシュートを決める。続くディフェンスでも#12西野が相手シュートをブロックするなど、良い流れでこのピリオドに入れた専大。しかし東海大も積極的にドライブを仕掛け、ペネトレイトからファウルを誘い、バスケットカウントを成功させる。すると流れは再び東海大に戻り、専大はオフェンスファウルやターンオーバーなどミスを連発。残り7分には18-31と点差を広げられてしまい、専大は前半最後のタイムアウトを要求し、体勢の立て直しを図る。タイムアウト後は#34盛實を中心に攻めるも、東海大の堅いディフェンスを前になかなか得点を奪うことができない。リバウンドも東海大に圧倒にされ、悪い流れのまま28-4214点ビハインドで前半を終了した。

 

 ▲得点やアシストでチームを引っ張ったエースの#34盛實




 第3ピリオド、専大は硬さが取れたのか、序盤から#34盛實のスティールや#30フィリップのブロックなどディフェンスで魅せる。するとオフェンスでも#12西野がインサイドから得点を重ね、流れは徐々に専大に傾く。その後も#12西野がオフェンスリバウンドや速攻、3ポイントシュート、ブロックなど攻守にわたって活躍する。流れに乗った専大は残り3分、#88重冨(周)のパスを受けた#10大澤の3ポイントシュートが決まり点差は8点。ついに背中を捉えた。しかし東海大は次の攻撃で3ポイントシュートを決め、その後も連続で得点を重ね、流れを渡さない。このピリオドの最後にはブザービーター3ポイントシュートを成功させるなど東海大ペースで試合は進み、49-6516点差で最終ピリオドを迎えた。

 

▲#12西野は攻守で活躍し、チームを支えた

 



 そして運命の第4ピリオド、専大は立ち上がりからターンオーバーなどのミスが目立ち、流れをつかむことができない。それでも#34盛實の3ポイントシュートや#23キング開(文1・アレセイア湘南高)のバスケットカウントなど健闘を見せる。しかし東海大も堅実に得点を重ねていき、点差は縮まらない。すると残り6分に#12西野がファウルトラブルになり戦線離脱。専大はタイムアウトを取るも、流れは変わらない。残り418点差、専大はオールコートマンツーマンで最後の賭けに出るも突破され万事休す。勝敗は決した。


▲果敢にドライブを仕掛けてシュートを放つ#23キング



 それでも選手たちは諦めない。主将の#4塚本雄貴(文4・アレセイア湘南高)はベンチから大声でチームメートを鼓舞する。#8幸崎竜馬(ネットワーク情報4・能代工高)はルーズボールに全力で飛び込む。最後まで専大は戦った。

 残り1分、#4塚本がコートに入る。相手からボールをスティールし、4年生の意地を見せた。残り2秒、相手のファウルで時間が止まる。フリースローを打つのは#14長谷川翔(経済4・能代工高)。「決勝の舞台に立てたことが嬉しかったのと、4年間やってきたことを思い返してしまい涙が出てしまった」と長谷川の目は潤んでいた。4年間の思いを込めた2本のシュートは惜しくもリングに弾かれ試合終了。70-88で専大は準優勝。4年生は最後の試合を勝利で飾ることは出来なかった。

 

 ▲主将の塚本(左)と工藤学生コーチ(右)は、ベンチから大声で味方を鼓舞した。



▲#8幸崎も最後まで諦めずにコートを駆け回った


▲最後のフリースローを放った#14長谷川。頬には涙がこぼれた。



 個人賞では優秀選手賞に#12西野が。3ポイント王、アシスト王、敢闘賞に#34盛實が選ばれた。


▲インカレ大活躍の西野は、見事優秀選手賞に選ばれた。


 ▲副賞を受け取り笑顔の盛實

 



佐々木優一監督

 

―決勝の試合を振り返って

「決勝戦なので緊張するなという方が無理だし、決勝に立てるのは数ある大学の中で2チームだけ。とにかく楽しんで自分たちのバスケットをやろうと選手に声をかけた。東海大も気持ちが入っていて、序盤から主導権を握られてしまい厳しい戦いではあったが、その中でも選手たちは諦めずに、途中で流れが来て自分たちのバスケットができた時間もあった。しかし東海大が一枚上手だった。選手たちには優勝させてあげたかったが、この舞台に来れたのは選手たちが頑張った結果だと思うので、すごく感謝している。」

 

―この1年を振り返って

「怪我など色々あったシーズンだった。そんな中でも選手たちが、何をしなければならないのか自分たちで考えて努力をして、ゲームの中で上手くいかないときは我慢をして、自分たちが本当にやらなければいけないバスケットを自発的に考えて行動してくれた。選手たちのメンタル面での成長も見れて、自分たちのバスケットを確立できたシーズンだったと思う。」

 

4年生に向けて

「監督になって初めてリクルートした代。声をかけて専大を選んでくれて、4年間努力をし続けてくれた。ここまで辿り着くことができたのは感謝しかない。後輩たちの精神的な支えにもなってくれて、"お疲れ様でした""ありがとうございました"という気持ち。」

 

―来年への意気込み

3年、2年、1年はこの悔しい景色を忘れないで欲しい。この経験はまだチャンスがあるということなので、もう一度この場所に立てるようにしたい。今年よりも良い色のメダルを取れるように頑張っていきたい。」

 

 

#4塚本雄貴

 

―試合を振り返って

「自分たちのできることは全てやったと思うし、全力を出せての結果だったので悔いはない。ゲームプラン通りにできなかったこと、最初の10分で10点開いてしまったことが結果としては敗因だと思う。けれど、2ピリ、3ピリ、4ピリを見てても戦えたと思うし、その最初の10点差がなければ分からなかったゲームだと思う。」

 

―大会を振り返って得たもの、成長できた部分

「リーグ戦のときでもあった結果だが、負けてる展開でも自分たちが我慢してできたのが成長だと思う。今まで専修になかったものが、芽生えてきたと思う。」

 

―期待する後輩

「また専修のバスケットをみんなで一から作ってほしい。その中心となるのが3年生の盛實、フィリップを含めた最上級生全員。大学のバスケットは上級生がしっかりしていないとダメなので、そこに注目してほしい。」

 

―同期に向けて

「言葉は選べないが、まず同級生に会えたことが感謝。自分を受け入れてくれた同級生に感謝している。どんなときでも同級生に助けられたので、すごく感謝している。同級生に限らず、日々自分が向上心を持ってできたのは、チームみんなのおかげでもあるので、言葉に選べないくらいの思いがいろいろある。本当にチームメートには感謝している。」

 

 

#8幸崎竜馬

 

―今日の試合を振り返って

「東海大が強くて、自分たちの力が発揮出来なかった。不完全燃焼だった。」

 

―インカレ全体を振り返って

「一戦一戦成長していっていた。それはチーム全員も感じていて、その結果決勝まで行けた。」

 

―この4年間を振り返って

「仲間、監督、スタッフ、親への感謝の気持ちでいっぱい。」

 

―印象に残ってる試合

「自分が初めて試合に出たのが1年生のリーグ戦での東海大戦で、そこで負けていて、最後の試合も東海大戦で締まるというのが縁があるというか。東海で始まって、東海で終わった。勝ちたかった。」

 

―同期に向けて

「最高の同志。」

 

―後輩に向けて

「来年は絶対優勝してもらいたい」

 

 

 

#10大澤希晴

 

―試合を振り返って

「決勝という舞台が14年ぶりで、監督たちからも楽しめと言われていたが、決勝ということもあり、出だしはみんな緊張していた。その入りが良くなかったことで、そのままずるずると進んでしまい、このような結果となってしまったと思う。」

 

―大会を振り返って得たもの、成長した部分

「チームで掲げているディフェンス、リバウンドは昨年よりもよくなった。コートに入ってからの上下関係はなしにして、全体でコミュニケーションを取れるようになった。そこもチームとして成長できたと思う。」

 

―個人のプレーについて

「周りからも3ポイントシュートを狙っていけよと、声をかけてもらっていた。その中で、スペースができたらシュートを打つことができた。シュートは自分だけのシュートではなく、チームみんなに支えられて打ててるシュートだと思った。」

 

―今後のチーム、後輩に向けて

「全員に伸びしろがあると思う。(盛實)海翔、西野、フィリップはもちろんだが、1年生で寺澤とキング開がここまでやってくれたのはチームとしても大きい。来年にもつながると思うので、1年生の2人には期待している。」

 

―同期に向けて

1年生のときに苦しいこともあった。バスケ辞めたいと思ったときでも、ずっと側にいてくれて支えられた。プレーの中でも自分だけでなく、他の4年生が出たときに、4年生という自覚を見せてくれていた。とても頼もしい存在だった。」

 

 

#14長谷川翔

 

―決勝を振り返って

「決勝に残れたことは良かった。今回は負けてしまったが、後輩たちのおかげでここに連れて来てもらった部分も大きいので、来年借りを返してもらえたら嬉しい。」

 

―最後のフリースローの場面

「決勝の舞台に出れたことが嬉しかったのと、4年間やってきたことを思い返してしまい涙が出てしまった。監督やトレーナー、みんなに感謝している。」

 

―同期に向けて

1人ベンチに入ってない選手がいるが、6人とマネージャー、全員で7人で4年間やってこれたことがすごく嬉しい。学生時代の1番の思い出になった。」

 

―印象に残っている試合

「インカレ準決勝の日大戦。毎年準決勝で負けていて、そこの壁が越えられなかったが、今年は粘って我慢して最後に勝つことが出来た。チームが変われた試合だと思う。」

 

―後輩たちへ向けて

「後輩たちにここまで連れてきてもらった。来年4年生中心にベスト4の壁を超えてまたこの舞台に戻ってきて優勝してほしい。」

 

 

#16野口夏来(経済4・福大大濠高)

 

―決勝戦について

「東海大にはリーグ戦で2敗しているので今日も難しい試合になると思っていた。前半は点差をつけられずについていけたのが良かったが、後半はその点差が開いてしまった。でも、リーグ戦から成長できたゲームになったと思う。」

 

―インカレを振り返って

「この大会、自分は調子が良くなくてチームに迷惑をかけてしまった。最後まで力にはなれなかったが、準優勝という結果で終われたのは良かったのではないかと思う。」

 

4年間を振り返って

「チームの状況もあって、1年生の最初から試合に出させてもらっていた。後輩のフィリップ、西野が入ってきて自分が出場できる場面が減ってしまっていたが、最後チームのために戦えたと思う。」

 

―チームの同期へ

「仲良くやってくれて4年間楽しかったです、ありがとう。」

 

―チームの後輩へ

「西野、フィリップ、盛實を中心に来年は自分たちが成し得なかったことまで達成してもらいたい」

 

 

#34盛實海翔

 

―試合を振り返って

「負けたのは率直に悔しい。東海大学の強さが出て、自分たちがやるべきだったリバウンドの部分で負けたのが敗因だった。」

 

―インカレを振り返って

「インカレを通してチームがかなり成長出来た。接戦で勝ち切れたり、上手くいかないときにリバウンドとディフェンスを頑張りなおして、そこから走るという専修のやるべきバスケットをしっかり出せたという部分が伸びたところ。昨年やリーグ戦の最初の方だと、崩れると相手に流れを持っていかれることが多かったが、そこで耐えられるようになったのがチームとして成長した。」

 

―3ポイント王、アシスト王、敢闘賞の受賞を受けて

「チームメートがあっての受賞だった。アシスト王にしても3ポイント王にしても、良い感じで合わせてくれたり、自分に良い展開で打たせてくれたから受賞出来たもの。もちろん敢闘賞も2位にならなければ受賞出来ないものだし、チームメートに感謝したい。」

 

―4年生に向けて

「長くお世話になってきて、決勝の舞台で優勝させてあげられなかったのが申し訳ない。ここまで凄く楽しい思いをさせてもらったので『ありがとう』という気持ち」

 

 

#12西野曜

 

―インカレを振り返って

「個人的には、去年より成長できたと思えるインカレだった。今年のインカレは楽しかった。今までインカレで優勝するために練習してきて、決勝では負けてしまったけど、楽しめたということは、ちゃんとそれなりに努力して来たということだと思う。」

 

―優秀選手賞に選ばれて

「まさか選ばれるとは思っていなかった。今シーズンと昨シーズンで変わったところはシュートレンジの広さ。3ポイントシュートを練習から打つようになったり、リーグ戦でも少しずつ打つようになった。(そしてインカレでは)勝負を決定づける場面で決めることができた。外からのシュートを覚えると外ばかりになりがちだが、中でもしっかりと点を取れたところが優秀選手賞につながったと思う。」

 

―このインカレは4年生との最後の大会だがどんな思いだったか

4年生にはかなりお世話になったので、4年生のためにという思いでこの大会に取り組んだ。」

 

―来シーズンに向けて

「自分達はまだまだ伸び代があると思うが、個人的にはドライブをちょくちょくやるが、ドライブからのドリブルワークをもっと増やして、シュートへのバリエーションを増やせればいいなと思う。自分の次の課題はハンドリング。」

 



 #34盛實と#30フィリップが最上級生になる来年。男子バスケ部のさらなる飛躍に期待したい。

 

(文=髙岡要・経済4、村山健人・商1、写真=冨樫幸恵・文4、岡本真凜・経営1、山下佳帆・経営1、江川このみ・文1、)