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2017.06.26
弓道

【弓道部】全関東学生弓道選手権大会 高畠愛理が個人戦3位入賞!!

  6月17日、18日に全関東学生弓道選手権大会(全関)が日本武道館にて行われた。

 1日目に行われたのは男女団体戦。男子は6人順立、1人4射の計24射、女子は3人順立、1人4射の計12射で合計的中数を争う。標的の真ん中、端などの場所は関係なく、的に矢が刺さった回数を1中とカウントし的中数を争う弓道。予選は男子84チーム、女子87チームのうち上位24チームのみが予選通過となる狭き門の中、男子は24射中15中で見事予選を突破し決勝トーナメントへ駒を進めた。一方、女子は12射中4中とミスが目立ち予選敗退となった。


▲初出場ながら予選・決勝ともに皆中の植田浩崇(商2・穂高商業高)

 男子決勝トーナメントの1回戦の相手は東邦大学。大前の島林大樹(商3・横浜商科大高)が確実に初矢を詰めると、弐的では予選皆中(4射全て的中)の植田が的中を重ね流れを作る。しかし、緊張からか3人連続で初矢を抜いてしまう。そんな嫌な流れを止めたのは落を務めた主将の原田洋和(経営4・静岡市立高)。その後も「いつも通りやること」を意識した原田は留矢もしっかりと詰め4射中3中と最上級生の意地をみせる。決勝の舞台でも植田が皆中をたたき出しチームを引っ張るも14中対16中とあと一歩のところで2回戦進出を逃した。


▲初矢を詰め大前としての仕事をしっかり果たす島林

▲流れを変えた主将の原田


 団体戦の疲れが残るなか2日目に行われたのは個人戦決勝戦。個人戦は団体戦と違い、『射詰』という方式で順位を決める。各選手が一矢ずつ行射していき、最後まで連続して的中し続けることができた者が優勝となる競技である。一度外せば即敗退となる射詰はまさにプレッシャーとの戦いだ。

 まずは、『一尺二寸的(尺二的)』と呼ばれる直径36cmの的で競い、次に『八寸的』という直径24cmの最初よりも小さな的で順位を決めていく。今大会は、個人戦に岡田瞳(法3・東洋高)、高畠愛理(商1・若松商業高)の2人が出場した。

 大学から弓道を始め、初めての出場となった岡田は「介添えについて下さった先輩のおかげで緊張はしなかった」ものの、練習通りの実力を出し切れず1本目で敗退となった。「大会前から調子が悪く調子を合わせられなかった実力不足だ」と悔しさをにじませるもその目は次の全日個人予選・団体へと向いていた。

▲悔しさをバネにさらなる成長が期待される岡田 (写真は弓道部提供)

 団体戦では大前として出場した期待のルーキー高畠。前日に「1本1本自分に負けないようにしたい」と力強く語った高畠は、その言葉通り1年生とは思えないほど落ち着いた様子でプレッシャーに打ち勝ち的中を重ねていく。的が八寸的に変わり2本目で外してしまうも気持ちを切り替えた高畠はしっかりと射抜く。

 個人戦3位入賞が決まると「4月に地元を離れ新生活に戸惑い心が折れそうになった日々を思い出した。今回の入賞は今までの自分の頑張りが報われ、これからの頑張る糧になりました」と振り返った。「地元で応援してくれている家族、友達に恩返しができるように現状に満足せず、日々精進を目指してまた頑張ります」と次に向けて高畠はさらなる成長を誓った。

▲初出場で個人戦3位入賞の高畠

 

≪結果≫

男子団体メンバー

大前:島林大樹

弐的:植田浩崇

参的:<予選> 鹿熊俊太郎(経済4・水戸桜ノ牧高) 

   <決勝トーナメント> 小川浩太郎(経済3・西武学園文理高)

四的:重田貴行(経済4・野沢北高)

落前:丸茂大貴(経済3・高崎健康福祉大高崎高)

落:原田洋和

▲左から順に、島林、植田、小川、重田、丸茂、原田

▽男子団体戦

~予選~

島林 2中

植田 皆中

鹿熊 1中

重田 3中

丸茂 2中

原田 3中

24射中15中

~決勝トーナメント1回戦~

専大14―16東邦大

島林 3中

植田 皆中

小川 1中

重田 2中

丸茂 1中

原田 3中

▽女子団体戦

女子団体メンバー

大前:高畠愛理

中:鈴木琴乃(人間科学部2・春日部共栄高) 

落:田中翠(経営3・江戸川学園取手高)

▲左から順に、高畠、鈴木、田中

~予選~

高畠 3中

鈴木 0中

田中 1中

12射中4中

▽女子個人戦

岡田

尺二 ×

高畠

尺二 ○○○

八寸 ○×○×


≪コメント≫

原田洋和選手

―――大会を振り返ってみてどうでしたか

男女ともに練習の成果を出せませんでした。特に男子は、練習では上位にいけるような的中を出せていただけに悔しいです。弓道は心に左右されやすいスポーツなので緊張が影響しているようでは自律という面でまだまだ精進が足りないとチーム全体を通して思いました。

―――落という責任のあるポジションを任されましたが、試合中はどんなお気持ちでしたか

予選の最後の止矢は『ここが当たらなかったら予選を通過できない』と意識してしまいましたが、どうしても当てたいときこそやることはいつもやっていることをやるだけ。予選の時は自分を律することができ当てることができましたが、1本ミスをしている点で4本全てをやりきれていないところが自分はまだまだ未熟だと思いました。

―――集中力はどのように保っていますか

4本全てを当てようと思うと集中することはできません。先のことを考えるのではなく、まずは目の前の1本をしっかりやり遂げることを心がけています。

―――試合前に必ずやることはありますか

射場に入る前に、手で拳をつくりぎゅっと力を入れて体を緊張させてから力を抜くというのがルーティーンです。緊張のほぐし方もルーティーン化することでいつも通りできると自信になります。

―――次に向けて

今回は情けないことに男子部から1人も個人戦に出場することができませんでした。次に向けて、目の前の1本を大切にチームとしても個人としても精進していきたいです。


植田浩崇選手

―――予選・決勝ともに皆中でしたが、大会を振り返ってみていかがですか

練習通りを心がけ、いつも通りの射形で射を射ることができたことが予選、決勝ともに皆中という結果が出せたと思いました。

―――予選から決勝に向けてどんなことを考えていましたか

余計なことを考えずにシンプルにいつも通りやろう、自由にやろうと考えていました。

―――緊張はしましたか

去年は控えのメンバーで今年が初めての大会だったので緊張しました。でも、アリーナで弓を引くことが目標だったのでわくわくのほうが大きかったです。それに、後ろを振り向くと大学の横断幕と応援してくれている仲間の選手たちが見えるので力になりました。

―――弐的を任され気持ちの面ではどうでしたか

今回は弐的でしたが、どんな順番であっても1本1本を集中してやるのみなので特に順番は気になりませんでした。

―――ゲン担ぎのようなものはありますか

初めて試合に出た時にトルティーヤを食べたことがきっかけで、それからずっと試合前はトルティーヤと栄養ドリンクを飲むようにしています。

ルーティーンという面では、矢を4本持っていき3本を置くときに甲矢(はや)、乙矢(おとや)の順番に置き名前が上向きになるように置くことと、立つ早さを決めています。

―――次に向けて

全日本学生弓道選手権大会では、団体はもちろんのこと、関東大会で果たせなかった個人戦予選を通過し入賞できるように頑張りたいです。弓道は待ち時間が長いので夏の間に集中力の維持や、オンオフの切り替えを意識して練習に励みたいと思います。


高畠愛理選手

――――個人戦の試合をふりかえってみてどうでしたか

個人予選で通過してから今回の本戦までの1週間、勝ちたい気持ち、いろんな気持ちと葛藤しながら練習してきました。自分の気持ちに負けて後悔するより、最後に後悔しない射ができたと思って終われるように1本1本思いを込めて引くことができました。最後まで自分に負けないで戦えたかは、優勝を逃してしまったため言い切ることができませんが大学生になって初めての大会にしては自分らしく堂々と引くことができた個人戦でした。

―――団体戦と個人戦で気持ちの面など何か違いはありましたか

団体戦の時は、先輩方の足を引っ張らないように大前として引き切ることを意識しました。しかし、個人戦ではとことん自分との戦いだったので、不安な気持ちを捨てて良いイメージを作って立ちに入ることに専念にしました。

――――八寸になり外してしまった後は、どのようなことを考えて次に挑戦しましたか

いつも使っている二尺的より八寸は小さいですが、練習の時にも的中させることができていたので、八寸だから中(あた)らないと考えずにいつものように中るイメージを作り自分に負けなければ中ると言い聞かせて切り替えていました。

―――これから先どんな選手になりたいですか

いつも自分らしさを忘れずに、自分自身に絶対負けない選手になりたいです。また、困っている周りの仲間がいたら近くで寄り添い、背中を押してあげられる人になりたいです。



 仲間たちの声援を背に戦った専大の選手たち。1本が勝敗を決めるというプレッシャーを背負い男女団体戦では悔しい結果となるも、その中で輝きを放った選手がいた。

 男子では、予選・決勝ともに皆中を成し遂げた植田。女子では1年生デビュー戦で3位入賞を果たした高畠。両選手は初出場ながら、本番の舞台で結果を出し専大弓道部に勢いと新しい風をもたらした。次の舞台は神戸で行われる全日本学生弓道選手権大会。8月14日に行われる個人戦には、男子からは鹿熊、島林、丸茂、坂本東太郎(経3・弘前中央高)、植田、島田拓門(経2・水城高)、の6名、女子からは鈴木の1名が出場する。全国の舞台ではその緊張はさらに増すだろうが、そんな時こそ専大弓道部の真の力が問われる時である。出場する各選手は入賞を目指し、自分を信じて挑んでほしい。

(文=石崎愛奈・法3)