News

最新ニュース


2014.04.05
サッカー

駒大に快勝、4連覇へ向け最高のスタート

 関東大学サッカーリーグ戦が4月5日に味の素フィールド西が丘で開幕。4連覇を目指す専大は2部2位で昇格を果たした駒大と対戦し、北出雄星(経済3・日大鶴ケ丘高)の2ゴール2アシストの活躍もあり、6-0と大勝した。


 昨年までの絶対的な存在であった長澤和輝(現1.FCケルン)、下田北斗(現ヴァンフォーレ甲府)両選手が卒業し、チームに対する不安の声も聞かれる中で迎えた開幕戦。


 前半は源平監督も「硬かった」と振り返ったように、お互いにロングボールが多く、持ち前のショートパスで崩すサッカーができない。しかし、そんな展開を打破することができるのがエースである。前半27分、右サイドでボールを持った仲川輝人(商4・日体荏原高)が北爪健吾(法4・前橋育英高)との連携で崩し、北出とのパス交換から前を向くと目の前にはスペースが。この相手の寄せが遅れた一瞬の隙を見逃さず、左足で美しいコントロールシュート。これがゴールネットを揺らし、専大が先制。直後、失点の動揺が見える駒大守備陣に対し、星野有亮(経済4・静岡学園高)がゴール前へ浮き球パス。これを期待の新1年生廣瀬慧(法1・前橋育英高)が頭で落とすと、「決めるだけだった」と山川翔也(経営3・新潟西高)が落ち着いてゴールに流し込み追加点。2-0とリードして試合を折り返す。


 後半に入ると、長澤の番号を継いだ専大の新背番号7、北出がピッチ上で躍動する。後半17分、仲川が左サイドを小口大貴(経済2・生田東高)と崩すと、最後は仲川のラストパスから北出がゴール。後半32分にも仲川のパスから北出がシュート。そのこぼれ球を混戦から前澤甲気(経営4・清水商高)が拾い、キーパーをかわしてゴール。これで4-0と駒大を突き放す。昨年まで3連覇しながらも不安視され続けてきた守備陣もこの日はGK福島春樹(法3・静岡学園高)と萩間大樹(経済3・瀬谷高)、河津良一(文4・作陽高)の両センターバックを中心に相手にシュートチャンスすら与えない安定したディフェンスを披露した。特に、昨年U-20日本代表にも選出された福島は絶対的なハイボールの強さと読みの鋭さを見せ、昨年よりもさらに安定感の増したプレーを披露した。また、非常に制度の高いフィードキックで攻撃の始点としての役割を果たす場面も多く見られた。そんな安定した守備に支えられ、攻め続ける専大は後半43分、北出のアシストから途中出場の野田卓宏(経済2・大津高)が反転しながら左足でゴール。ポテンシャルの高さを見せつけた。さらに、後半45分、左サイドをオーバーラップしてきた小口に完璧なタイミングで仲川がパス、小口がマイナスのクロスを送ると、ニアに引っ張られた駒大ディフェンスをよそに絶妙なポジショニングで待っていた北出がしっかりと沈め、6-0としたところで試合終了。



 長澤、下田の卒業に伴い専大の攻撃的サッカーがどのように変貌するのか、が焦点となっていたこの試合だが、展開力のある星野有亮のワンボランチ。“新背番号7”北出雄星がチームに与える連動性。そして絶対的エース仲川輝人の存在感と責任感。今後、細かい選手の入れ替えやシステムの変更はあるだろうが、この3選手が今年の専大の攻撃的で美しいサッカーの鍵を握ることは間違いないだろう。この先、相手のレベルが上がるにつれ課題も増えていくだろうが、期待を抱かせる、楽しみな開幕戦となった。

 

鷲尾凌平・経済2

 

 

源平貴久監督のコメント

―試合を振り返って

今日は結果だけ。ディフェンスラインが昨年と変わらず、3連覇中より守備が安定していたが、攻撃には課題が残った。

―長澤選手が抜けたが

北出が運動量や連動性の部分で長澤とは違った強みを見せてくれた。守備の面では北出の方が長澤より貢献度が高い。

―1年生がメンバー入り

 上手い子だけじゃなくて渋い子も入ってくれている。ウチは全然有名じゃない、日陰にいた子を日向に引っ張り上げることを意識している。そのなかで楽しみな選手が多い。

―次節に向けて

もっと中身のある攻撃をしたい。中盤の選手の層が厚くなったので、いろいろな組み合わせを試したい。

 

河津良一主将

―試合を振り返って

初戦ということで負けたくなかった。前半は全体的に硬かったが、結果としては点も獲れ、無失点で終えることができたので良かった。

―上級生が抜けたがことで変化はあったか

 去年は先輩たちに頼りすぎた部分もあったが、今年は突出した選手が多くないので選手一人ひとりが持つ意識が変わったと思う。そのことがチーム全体にプラスになっている。

―次節に向けて

 今日は6-0で勝って満足しているが、このまま次の試合に臨むとどうなるかわからない。次も昇格組との対戦なので相手は自分たちを負かしてやろうとガツガツ来ると思うが、足元を掬われないようにまずは気持ちの面で負けないようにしっかり準備していきたい。

 

北出雄星選手(MOM)

―試合を振り返って

とりあえず勝てて安心した。(10ゴール10アシストと言っていたが)そこに向けて良いスタートは切れた。

―長澤、下田が抜けたが

2人がいなくなってダメになったとか、マイナスの評価をされたくない。それはチーム全員で、特に中盤の3人では練習のときから話していた。

―7番は自分で選んだ?

 いえ、監督から渡されました。もらったときはマジか…って感じで。初戦で結果を残せてほんとよかったです。ホッとしています。

―長澤とは違うプレースタイルだが、自分の強みは

 ボールを自分で持って運ぶタイプではないので、味方との連携を意識しています。守備の意識も多くもつように。

―昨季からの違い

 長澤さんがずっといて、その背中を見てきたのでなかなか難しいですけど、スペースを作ってはたいて走って、だけじゃなくて、今季は動かす側としても自分で組み立てができたらと思っています。

 

仲川輝人選手

―1点目を振り返って

 シュートは理想通りではなかった。もっと巻いて左上の隅のイメージだったんですけど、結果オーライって感じで(笑)

―北出選手について

 長澤さんとは違うが、連携面では不安視していない。右サイドの自分と北爪と北出の崩し方は狙い通りで、北出は間をつくってくれたり、ゴール前でこぼれてくるところにしっかりいて、、、いい選手です(笑)

―ラストイヤーとなるが

 一試合一試合、自分が成長できるように。同時に下を引っ張る責任もあるので。今季はボールを運んだりして貢献できれば。良いトップ下2人がいるので動き出しのタイミングなどを合わせていきたい。

 

北爪健吾選手

―試合を振り返って

 守備面で手応えを感じた。今年は前線から守備ができているので負担が減ってやりやすい。

―攻撃面は

 前線は卒業した二人(長澤、下田)の穴が大きいので、個の力に頼らない攻撃を目指している。個人的には右サイドで違いを見せて制度の高いクロスを多くあげたい。

 

前澤甲気選手

―試合を振り返って

前半はロングパスを多用してくる相手に合わせてしまった。後半は細かくパスを繋いでいく自分たちのサッカーができたのが勝因。

―得点シーンは

 シュートがこぼれてきたのは運が良かった。フォワードとしてあのシーンは外すわけにはいかなかった。

―今年の抱負

 今年は最後の年、プレイヤーとして勝負の年だと思っている。

 

山川翔也選手

―得点シーンを振り返って

 新1年生の廣瀬がいいボールを落としてくれたので決めるだけだった。

―前半から裏を狙う良い動き出しが見られたが

 裏だけじゃダメ。もっと引いて受けたり、動きの質を高めたい。

―次節に向けて

 今日はもっと決められるチャンスがあった。今年は1試合1得点が目標なので次も決めたい。

 

 

小口大貴選手

―今日の試合で意識した点は

 攻撃では積極的に前に上がってクロスを上げること、守備では引かずに前に強く出ることを意識した。

―オフには代表合宿にも呼ばれていたが

代表合宿では悔しい思いをしたので、アピールするには目に見える結果が必要だと感じた。

―今季の目標は

 ゴール、アシスト問わず10ゴールに絡む。