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10月23日、東都大学野球秋季リーグ対日大戦（第3回戦）が神宮球場にて行われた。勝てば優勝戦線に残り、負ければ春秋連覇の道を断たれる勝負の一戦。前回対戦時（9/23）は延長戦の末に敗れている。また専大はこの試合が秋季リーグ最終戦となる。
＜ゲームレポート＞
試合前には秋季リーグが始まって最終戦に高原悠主将（商4・報徳学園高）がベンチ入り。打撃・守備練習といつも通りの緊張感漂う試合前となった。
△左から高原・渡辺・福田が守備練習中
試合は初回から動く。専大は先頭打者の伊與田一起（経営3・明徳義塾高）がカウント1―1から振り抜いた打球は高く舞い上がり、グラウンドに落ちること無く、ライトスタンドへと突き刺さる先制の先頭打者本塁打。チームの連覇への思いが詰まった大きな一発だった。
△打球を追いながら1塁ベースに向かう伊與田内野手
専大の先発は高橋礼（商2・専大松戸高）。ここまで8戦投げて4勝1敗とエースの大野亨輔（商4・星稜高）よりも1勝勝ち星を上回るなど、久々の先発を任せられながら好成績を収めている。1回裏、相手先頭を三振に仕留め絶好のスタートを切ったように見えた。だがその後の2番打者にヒットを許す。すると前日のドラフトでヤクルトに5位指名された3番山崎のセーフティーバントを処理する際に高橋自身が送球を逸らしてしまい失点。簡単に同点に追いつかれてしまった。
△5回途中まで1失点に抑えた高橋礼投手
打線は4回まで3塁を踏むこともできずに相手先発を打ちあぐねいていた。そして迎えた5回。1死から7番高崎健太（経営4・常葉菊川高）が6球粘り四球を獲得し出塁。続く8番金井大和（商2・銚子商高）の犠打で2死2塁の逆転のチャンスを掴む。すると9番重野雄一郎（経営4・専大松戸高）がカウント2―1から完璧に捉えた打球は左中間を割るタイムリー2塁打。逆転に成功し2対1。
△打球を完璧に捉えた重野外野手
一方でその裏。ここまで０で抑えていた高橋が崩れる。先頭の9番打者にヒット、打順が戻って1番打者にもヒットを許し、犠打を挟んで1死2、3塁のピンチを招く。そこからは4連打され5失点で降板。その後は代わった堀田竜也（経営2・常葉菊川高）・勝田翔紀（商1・大社高）で打者一巡の猛攻を受けるも抑え、なんとか5失点で留めた。
△高橋の後にリリーフする堀田投手
△5回以降も8回に降板するまで無失点投球の勝田投手
4点を追いかける苦しい展開もここで押し負けないのが専大野球。直後の6回表。先頭の3番福田晃規（商4・県岐阜商高）が2塁打を放ち、4、5番が死四球で無死満塁の大チャンスを作る。続く6番森山恵佑（商3・星稜高）が粘る。球に必死に食らいつき12球も粘り、迎えた13球目を見送り、押し出しを勝ち取った。その後7番高崎・8番時本亮（経営4・大垣日大高）の犠牲フライで2点追加。6回表が終わってみれば、4点差が1点差に縮まる猛攻撃。たった数十分で球場の空気・流れが変わった。だが7、8回は三者凡退に抑えられてしまう。
△必死に球に食らいつく森山外野手
△13球目を見送り、見事四球を勝ち取る
そして両チーム無得点で迎えた8回裏。5回2死から投げている勝田が2死1塁で交代。監督がベンチから立ち上がり4年生エース大野をコール。しかし大野は初球から足を絡められる攻撃を受け2失点。打たれたボールは苦労して取得したカットボールだった。だが最後の打者を渾身のカットボールで三振に打ち取り8回を締め、味方の援護を待った。
△大学最終登板となったエース大野投手
9回も粘りを見せる専大。先頭の9番時本の代打福永裕基（文1・天理高）がヒットで出塁。1死から代打の和田裕生（経済2・福岡大大濠高）もヒットで続き1死1、3塁のチャンスを作る。点差を縮めて追いつきたい専大だったが2連続三振に抑えられ試合終了。
(スコア)
専大 1 0 0 0 1 3 0 0 0 ＝ 5
日大 1 0 0 0 5 0 0 2 × ＝ 8
この試合に敗れ、春秋連覇を逃す形にはなった。しかし結果的に秋季リーグ戦は7勝6敗勝ち点3で中央大と並んで3位と大健闘。戦国東都の中で秋も最後の最後まで優勝争いをしたことは来季以降にも必ず活きてくるだろう。近々来季へ向けて新チームがスタートする。春への戦いはもう始まっている。
（飯塚 恒成・文2）
＜監督コメント＞
斎藤正直監督
「こうした中で最後まで踏ん張れたことが大事。この秋の敗戦が次のステージの糧になる。これまで頑張ってくれた4年生に感謝したい。」
＜選手コメント＞
高原悠主将
今日の試合を振り返って
―「勝って終わろうと皆で言っていました。（逆転された直後の6回表に）すぐに1点差にできたし、最終回も1、2年生が繋いでくれて良い形だった。」
春季の優勝について
―「（春季に1部に昇格して）すぐに2部に落とされないように勝ち点を取りにいった結果、春は優勝できた。優勝して出場した全日本で敗れた早大ともう一度戦って倒そうと皆で言っていた。出来なくなってしまって悔しい。技術は無かったけどついて来てくれてありがたかった。」
大野亨輔投手
今日の試合を振り返って
―「8回に打たれてしまったボールはカットボール。苦労して取得したボールだったので。でも最後に三振に仕留めたボールもカットボールだったので良かった。」
4年間を振り返って
―「専大には優勝するために入ったので、春は優勝して秋は優勝を争えて4年間やってきて良かった。最後まで専大らしい粘りの投球ができたと思う。春に優勝して秋は警戒された。またその警戒を上回る投球を出来るスタミナが無かった。大学の経験を活かし、プロを目指して頑張りたい。」
