News

最新ニュース


2019.11.16
サッカー

【サッカー部】前節の面影は何処へ...攻守にチグハグで歯痒さ募る敗北

JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦(後期)

第21節 VS東洋大学体育会サッカー部

11月16日(土) 14:00Kickoff

@県立保土ヶ谷公園サッカー場(神奈川県横浜市)

専大 1-2 東洋大



▲ 集中応援となったこの試合は、多くの人が会場に駆けつけ、選手たちを鼓舞し続けた。


 前節は4ゴールを奪い、大勝。守備でもほとんどチャンスを作らせず、無失点に抑え、内容、結果と共に相手を圧倒した。だが、他会場の結果により、インカレ出場の可能性は消滅。一つの目標を失ってしまったが、闘いはまだまだ終わらない。後期リーグ戦初の連勝が懸かる今日の試合は、集中応援日。専大としては、引き分け以上で、他チームの結果に関わらず、1部残留が決まる状況だ。しかし、大観衆が見守る中で目指すのは、飽くまで「勝ち点3」。チームが標榜する「"攻撃的で美しい"サッカー」で会場を魅了し、勝利を掴み取りたい。


以下、スターティングメンバー(3-6-1)

GK 1  桐林海生  (経済4・神戸国際大附属高)

DF 8  河上将平  (人科4・東海大付属静岡翔洋高)

DF 4  西村慧祐  (法4・習志野高)

DF 6  笛田翔     (法4・共愛学園高) 後半16分 OUT

MF 21 浦川流樺 (文2・青森山田高) HT OUT

MF 20 鈴木龍之介 (経済3・成立学園高)

MF 5  鹿沼直生   (経済4・静岡学園高)

MF 2 古屋誠志郎   (法4・市立船橋高)

MF 13 鈴木厚太    (商4・飛龍高)   後半34分 OUT

MF 10 氣田亮真    (文4・千葉敬愛高)

FW 9  岸晃司        (経営4・川崎北高)


途中出場

FW 11 中杉雄貴 (経営4・追浜高)       HT IN

DF 32 今村太一  (法2・東海大付属福岡高) 後半16分 IN

FW 24 奥原零偉 (人科1・熊本県立大津高)  後半34分 IN


 スタメンは、前節と全く同じラインナップとなった。今日の相手である東洋大は、敗れれば2部降格が決まるという絶体絶命の状況に追い込まれてからは連勝中であり、残留に望みを繋いでいる。現在、最も勢いのあるチームと言っても過言ではないだろう。専大としては、相手の気迫に呑まれることなく、自分たちのサッカーを貫きたい。


 集中応援日ということもあり、大声援がこだまする中で先制点を奪いたい専大だったが、立ち上がりから苦しい展開となる。前半15分、カウンターを喰らうと、左から右へ大きく揺さぶられる。最後は、豪快なミドルシュートを突き刺され、早くもビハインドを背負ってしまう。それでも23分、中央でボールを持ったMF鈴木厚太がシュートを放つ。しかし、これはキーパーにキャッチされ、ゴールとはならない。すると、34分、相手の個人技から突破を許し、2点目を決められてしまう。何とか前半のうちに1点を返し、試合の主導権を握り返したい専大。45分、右サイドからMF浦川がクロスを上げる。ゴール前で待っていたMF氣田がヘディングで狙うが、ギリギリのところで阻まれ、ネットを揺らすことができない。結局、前半は0-2で終了。MF鹿沼や、MF古屋のシュートなどでチャンスも作ったが、決定的と呼べるシーンはあまり多くなく、無得点で試合を折り返した。


 後半は、序盤から専大ペースで試合が進む。まずは6分、左からのCKを獲得すると、キッカーのMF鈴木龍之介がショートコーナーをチョイス。受けた氣田が、もう一度鈴木へ返すと、鈴木は鮮やかな切り返しからクロスを供給する。このボールに鈴木厚太が頭で合わせるが、ゴール上へと外れる。さらに11分、右サイドを抜け出したFW中杉から、ファーサイドの古屋へボールが渡る。古屋はマイナス方向へ折り返すが、相手のカットに遭い、シュートに持ち込むことはできない。

▲ 後半開始から投入され、推進力のあるプレーで攻撃を活性化させた中杉


16分には鹿沼とのワンツーで左サイドを破った氣田が、鋭いキックフェイントからクロスを上げる。だが、ここでも相手に阻まれ、シュートには至らない。その後も攻め続ける専大は29分、FW岸が相手を背負いながら、ペナルティエリア右でボールを受ける。巧くターンし、シュートを放つが、キーパーにキャッチされ、なかなかゴールを陥れることができない。それでも38分、左サイドで細かくパスが繋がり、受けた氣田がドリブル突破を試みる。ペナルティエリア内に侵入したところで、相手がたまらずファウルを犯し、PKを獲得。これを氣田が自ら、確実に決め、ようやく反撃の狼煙を上げることに成功する。

▲ PKを蹴り込む氣田。3試合連続のPKであっても危なげなく決めきることができるのは、タフな精神力と確かな技術を兼ね備えている証だろう


その後も歓声に応えるべく、同点ゴールを目指し、攻め続ける専大。しかし、相手の守備網を崩すことができないまま、タイムアップ。1-2で敗れ、久々の連勝とはならなかった。


専大  1-2  東洋大

83分 氣田   15分 前田

         34分 松崎


 圧勝した前節の姿はどこを探しても見当たらず、攻守の歯車があまり噛み合わない試合となった。さらに、この手痛い敗戦に追い討ちをかけるのは、主将のDF西村が累積警告により、次節出場停止になってしまったことだ。まさに弱り目に祟り目であるが、今日の試合の悔しさを晴らすことができるステージは、次節、すなわち最終節しかもう残されていない。「ここまでやってきたことは間違いなんかじゃなかった」、それを証明するためにも、勝利が必須条件。意地でも勝ち点3を奪い取り、白星で今シーズンの闘いの幕を降ろしたい。


以下、試合後インタビュー


西村慧祐

試合を振り返って―

「なかなか自分たちらしさが出せなかった。らしさというよりは、やってきていることが出せていなかった。特に前半は、外から放り込むボールが多かったり、パスの距離が長くなったり、後ろ選手が攻撃に加われず、前線の選手が孤立してしまったりということがあった。後半は後半で、ミスが多く、せっかく押し込んでも、フィニッシュの精度が低いシーンが目立った。それが得点に繋がらなかった要因だと思う。今日の試合もそうだが、普段では起こらないようなミスから失点してしまうという、一年を通して修正できずにいる課題が出てしまった。集中応援で来てくれた多くの方たちに、勝利を届けられなかったのがとても悔しい」


最終節、仲間へ向けて―

「勝って終わるというのが使命。後輩たちに残せるものは、残留しかないので、しっかりと勝って、残留を決めて終わりたい」

▲ 累積警告4枚で、最終節は出場停止となってしまった西村。図らずも大学ラストゲームとなったこの試合を、勝利で飾ることはできなかった。今シーズン、主将としてチームを牽引してきた彼にとっては、あまりにも残酷すぎる結末となったが、これまでと何ら変わらない勝利への執念をチームメートへ託し、揺るぎない覚悟で仲間と共に闘う


(文=一家駿介・文2 写真=乾桃花・文2、男神愛・商1)